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Friday, April 24, 2020

使いやすい職場の栗東トレセン 在宅勤務の部屋は… - 日本経済新聞

筆者は今年1月、関東を離れて関西に引っ越しました。競馬実況アナウンサーとしての業務もほぼ全て、関西圏で行うことになりました。職場はもちろん、住まいや暮らしの様々なことが新鮮な毎日です。新型コロナウイルス問題で厳しい状況とはいえ、4月から就職や転職、進学などで新たなスタートを切った方も多いのではないでしょうか。

さて、皆さんが働いている現場は、使いやすい、働きやすい環境といえるでしょうか。新型コロナウイルス問題も含めて、環境が大きく変わりつつある今、「使いやすい職場」について考えてみたいと思います。

栗東トレセンの調教スタンド

栗東トレセンの調教スタンド

中央競馬で関西所属の人や馬は、滋賀県の栗東トレーニング・センター(トレセン)を拠点にしています。関東の拠点である美浦(茨城県)と同様、トレセンは馬が暮らす厩舎地区、トレーニングを行う調教コース、それを見る調教スタンドに分かれています。

トレーニングの時間は早朝に集中しています。春先は午前6時に調教が始まり、それを見ながら合間に関係者へ取材。全ての作業が終わるのは昼ごろになることも。朝食もスタンドで食べることが多くなり、長時間働くので、パソコンやスマートフォン、録音機材の充電も気になります。

必要な業務の全てをワンフロアで

その点において、栗東トレセンの動線は機能的といえます。午前6時、報道関係者の通用門から歩いてスタンドに行くと、各フロアへ行くエレベーターが出迎えてくれます。栗東の場合、我々が業務をするエリアは4階に置かれています。コース全体を見渡すことができる位置にあり、まだ暗いうちから始まるトレーニングに合わせ、全席に電灯とコンセントが配置されています。

席の後方には直接は見られない坂路コースのモニターが置かれています。ほとんど移動せずに、必要な業務の全てをワンフロアで行うことができるこの設備は、メディアにとってとても使いやすい構造といえます。

さらに、同じエリアには、G1競走直前に騎手や調教師の取材をするためのインタビュールームがあります。ここには騎手とインタビュアーが持つマイクの音を、全ての関係者が拾うためのシステムが整備されています。かつては記者席を区切って会見を行っていて、非常に手狭だったそうですが、インタビュールームはとても広々としています。

スタンドに置かれた取材スペース。目の前には坂路調教を見られるモニターもある

スタンドに置かれた取材スペース。目の前には坂路調教を見られるモニターもある

1969年の開場から使われてきた旧スタンドの改修工事が進み、調教スタンドの使用が始まったのは17年10月末。検討開始から10年、着工から4年で完成しました。現在のスタンドには我々が使う設備のほか、愛馬の調教を見る馬主、調教見学のイベントで招待したファンのための部屋などもつくられています。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は取材を控える動きも出てきていますが、普段は多くの記者が、騎手や調教師に話を聞くために1階に待機しています。スタンドの1階には小さな部屋があり、テーブルとイスが置かれて、雨風もしのげるこの部屋は、ある騎手からトレセン側に「雨天時や冬季に、取材のために寒い中で待機してもらっているのは申し訳ない。小部屋でもいいのでつくってもらえないか」という依頼があってできたそうです。

突然のテレワーク、使いやすい職場に

新型コロナウイルス騒動が長引き、筆者も業務の一部を自宅で処理することになりました。本稿も在宅勤務中に書いています。突如として、1月に移転したばかりの新居が「職場」に変わりました。番組出演のため、競馬場や会社へ出かける場面はまだありますが、アナウンサーの筆者でも業務のほとんどは自宅でできることがわかったのは幸いでした。

1Kの狭い部屋で、テレビの位置を動かし、テーブルタップにパソコンのコンセントをさし込む……。「使いやすい職場」にはほど遠い環境ですが、本稿を書いている時点で、我々は変わらず競馬中継を届けることができています。準備に手間取ることはありますが、できないことがそれほど多いわけでもありません。「使いやすい職場」をつくるのは、何はなくとも使う側である自分の心がけなのかもしれません。

調教コースの含水量などを示す掲示板

調教コースの含水量などを示す掲示板

福永祐一騎手が最近、栗東トレセンのインタビュールームで行われたG1競走の共同会見で「公営競技が少しでもストレス解消や気晴らしになるのであれば、僕らは全力でそれを務めて、国民の方々に提供しなければいけないという意識で競馬に臨んでいます」というコメントを残していました。

日本中央競馬会(JRA)が無観客競馬に踏み切って約1カ月半。競馬を実況するアナウンサーの一人として、「もし、不用意な行動がきっかけで、新型コロナウイルスに感染してしまったら」という思いを強くすることがあります。競馬場、会社、トレーニング・センターを行き来する毎日、寄り道をすることが少なくなり、外食をしたり、飲み会に行ったりすることも無くなってしまいました。

でも、競馬は現状、立ち止まることなく続いています。今週末も競馬場やトレセンの音が、皆さんに届くことを願ってやみません。

(ラジオNIKKEIアナウンサー 山本直)

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