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Wednesday, August 19, 2020

住宅のプロが教える、夏の光熱費を抑える部屋の3つのポイント - マイナビニュース

梅雨が明け真夏日が続いている。在宅勤務や外出自粛により家で過ごすことが増え、光熱費の明細が届いてびっくり……という家庭も多いのではないだろうか。

家で過ごす時間が長いとどうしても高くなってしまう光熱費だが、地獄的な暑さの夏にエアコンなしで生活するのは難しい。そこで、不動産情報サービス アットホームの社員であり、住まいや暮らしに詳しい広報の西嶋優理子さんに光熱費を抑えるコツを聞いてみた。

光熱費が高い部屋=暑くなりやすい部屋

そもそもなぜ夏になると光熱費が高くなるのだろう。西嶋さんによると「部屋が暑くなりやすいか」で光熱費が変わってくるという。部屋が暑いことでエアコンをつけ、結果として電気代がかかってしまうからだ。

暑くなりやすい部屋は「日当たりの良さ」「窓」の2つの条件があるという。

・日当たりの良さ

部屋に直射日光が入るかで暑さは大きく変わる。「南向き」の部屋は日中に日が差し込みやすく、「西向き」の部屋は昼から夕方にかけて日が入るため、夜まで熱がこもりやすくなりがちとのこと。

・窓

日光は窓から入ってくるため、窓の大きさや数で部屋の温度が変わる。角部屋は2面に窓があるところも多く、天窓がある部屋では上から日が差すので温度が高くなりやすい。一方で、窓の数や面積が大きいと温度が上がるが、窓があることで風通しが良くなるため、積極的に換気できるならその点は改善できる場合もあるそうだ。

マンションが暑くなりやすいのはなぜ?

「光熱費が高い部屋=暑くなりやすい部屋」と分かったところで、マンションに住んでいると、昼も夜もずっと熱がこもって暑いという体験をした人もいるのではないだろうか。これは建物の材質に秘密がある。

マンションは多くがコンクリートで造られている。コンクリートは通気性が悪いため暑くなりやすく、さらに気密性が高く熱を逃がしにくいため、暑くなりやすい条件が整っているそうだ。住んでいる地域や立地の条件にもよるが、コンクリート造りの家は暑くなりやすいと考えて良いだろう。

部屋の環境で光熱費に差がある?

実際のところ、部屋の環境でどのくらい光熱費が変わるのだろうか。アットホームが18~29歳の一人暮らしをしている男女を対象に2019年に行った調査(※)によると、部屋の広さが7畳未満の人の平均光熱費は7,105円、7畳以上の人の平均光熱費は8,772円と部屋の大きさで約1,600円の差が生まれている。

この結果から、部屋が大きいほど部屋全体を冷やすための電力が必要となり、結果として光熱費が高くなっていることがうかがえる。「エアコンの効きが良いのは狭い部屋。リビングや寝室など冷やしたい場所を絞って冷房を使うと光熱費を抑えることができます」と西嶋さん。部屋の間取りも夏場の光熱費に影響を与えるようだ。

(※)調査概要
調査対象:過去2年以内(2017年6月以降)にマンション・アパート・一戸建ての賃貸契約をして、一人暮らしをしている全国の18~29歳の学生・社会人
調査期間:2019年6月28日~7月3日
調査方法:インターネットによるアンケート調査

光熱費を抑える3つのポイント

夏の光熱費で多くを占めるのがエアコンにかかる電気代。エアコンを上手に効かせることで、光熱費を安くできるそうだ。西嶋さんに、今住んでいる家の光熱費を抑えるための3つのポイントを教えてもらった。

(1)熱を逃がす

「部屋にこもってしまった熱を逃がすと、部屋全体を効率的に冷やすことができ電気代を節約できます。エアコンと合わせてサーキュレーターを使って部屋の空気を循環させ、定期的に換気をするのがポイント。また、電化製品も部屋の暑さの原因になります。テレビや冷蔵庫、作業中のパソコンも熱を持つので、熱がこもりすぎないように周りのものと離し、必要ないときは電源を切っておくのもいいと思います」

(2)直射日光を入れない

「部屋が暑くなる大きな原因が窓から差し込む直射日光です。カーテンを遮光カーテンに変えたり、ゴーヤなどの植物を育ててグリーンカーテンを作ったり、光を入れない工夫をすることで、部屋の気温が上がるのを抑えられます。グリーンカーテンを作るときは、隣の家との境界線を越えないように気を付けてください」

(3)冷気を逃がさない

「部屋が広いほどエアコンの冷気が必要な範囲が広くなり、結果として光熱費が高くなってしまいます。一人暮らしだと、リビングから玄関まで仕切りがなく、家全体を冷やしている状態の場合や、家族で暮らしていてもリビングと階段がつながっていて冷気が逃げている場合があります。スクリーンやパーティションで部屋を仕切るだけでも、効率的に部屋を冷やすことができるので、冷気が逃げてしまわないよう工夫をしてみてください」

この「冷気を逃がさない」は、エアコンの効きに大きく影響してくるとのこと。例えば下記の間取り図のような部屋の場合、洋室とキッチン(廊下)がドアで区切られているため、洋室だけを冷やせる。ちなみにこの間取りは2面窓があるため日差しが入りやすいが、定期的な換気やカーテンを付けるなど暑さ対策をすると良いそうだ。

今回は、夏場の光熱費を抑えるには? ということで西嶋さんにコツを聞いてみた。エアコンで効率よく部屋を冷やすことが、光熱費の削減にもつながると分かったが、これは冬場の暖房を使う時期にも同じことがいえるとのこと。

夏場に暑い「南向き」の部屋は日当たりが良い分冬に暖かく、風通しがいい木造の建物も冬場は極寒ということもある。今住んでいる部屋の状況を見極めつつ、今年の夏を乗り切りたいものだ。

取材協力 : 西嶋優理子(にしじま・ゆりこ)

アットホーム株式会社 マーケティングコミュニケーション部 広報グループ。 2017年アットホーム入社。家・街・暮らしの情報サイトの制作を担当したのち、2018年より広報を担当。アンケートによる住まいや暮らしのトレンド調査に携わる。

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August 20, 2020 at 07:47AM
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