カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです 【この記事に関する別の画像を見る】 見えないものを数値化する機械がたまに欲しくなります。かつては使うあてもなくレーザー距離計を買ったり、コロナ禍では、血中酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを、10年前の原発事故時は放射線量計を買ったりしました。 で、今回は二酸化炭素濃度計。コロナ禍で換気の重要性が高まったことから売れているアイテムです。見えない二酸化炭素(CO2)をどう測定するのでしょうか。最近の主流はNDIR方式といって、空気に赤外線の光を通過させた後の赤外線量をセンサーで測定して二酸化炭素濃度を数値化する仕組みです。二酸化炭素は赤外線領域の波長を吸収する性質を持っているんですね。 普段は二酸化炭素濃度など気にすることはありませんから、リアルタイムに表示されるだけで面白いです。大気中の二酸化炭素の平均濃度は400ppm前後。この濃度が年々上昇し地球温暖化の原因とされているわけですが、都市部の屋内で400ppmの数字を見ることは、ほぼありません。普段から窓を少しだけ開けて換気している部屋でも、400ppm後半~900ppmの範囲で数字が動いています。窓を閉めると1,000ppmを超えてきます。屋内では、1,000ppmがひとつの基準とされ、これを超える場合は換気が推奨されています(購入した製品では1,000ppmを超えるとピーピーとアラーム音がします)。 人間の呼吸による二酸化炭素排出量はバカにできません。全世界の二酸化炭素排出量の1割近くを人間の呼吸が占めるという計算もあるようですし。試しに二酸化炭素濃度計に息を吹きかけると、一気に2,000ppmを超えていきます。 これは気のせいかもしれませんが、仕事に集中している時ほど数値が高くなりがちです。パソコンのCPUが大量の計算をするほどに熱を発するように、脳が酸素を消費しているのでしょうか。今後、コロナ対策の換気状況チェックはもちろん、生産性向上を目的として二酸化炭素濃度を意識する機会は増えていくのではないでしょうか。スマートウォッチに機能が内蔵されるのも間近でしょう。 ところで、2日前に新型コロナウイルスワクチンの2回目接種を終えたのですが、副反応は下痢と37℃台前半の微熱で済みました。体内で抗体がどの程度完成しているのか、ぜひ数値で見たいです。いずれは、ドラゴンボールのスカウターのように、相手の免疫力が見える世界も来るのでしょうか。
家電 Watch,小口 覺
からの記事と詳細 ( 「この部屋の戦闘力は480ppmです!」CO2濃度計を設置する(Impress Watch) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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