Hさんご夫婦(夫40代、妻30代)
横浜市 / 築40年 / 63.85㎡
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旅が大好きなHさんご夫婦。羽田空港の近くに住むのもいいかなと考え、物件選びをスタートさせました。蒲田、川崎、鶴見と周辺エリアを探しましたが、条件に合う家には出会えませんでした。
そこで、思い切って横浜エリアも含めて再び探したところ、ぴったりの家を購入できました。最寄り駅は横浜駅から電車で10分ほど。都心へのアクセスも良く、葉山、逗子など海へも近い、今、注目されつつあるエリアです。
駅から徒歩10分ほどで、広さは63.85㎡。窓がたくさんあって明るく、さらに広めのルーフバルコニーもありました。都内や湘南エリアよりも価格がリーズナブルなのも魅力です。
今回のリノベーションのコンセプトは「旅する住まい」。コロナ禍が落ちついてきたとはいえ、まだまだ自由に旅をするのが難しい状況です。そのようなこともあり、旅の記憶と一緒に暮らしているような住まいを考えました。
具体的には、用途に合わせた個室を作って、それぞれ旅をしているようなイメージで、壁、天井を、カラフルにペインティング。国や街は決めすぎずに、少しラフに。旅のワクワク感を大切にしました。
LDKは、壁の色をグリーンにしました。大きめの窓の外には広めのルーフバルコニーがあり、日差しがたっぷり入る日当たりのいい空間。床には大きめの観葉植物を置き、天井からは小ぶりのものをハンギング。植物が映えるように、黒いダイニングテーブルを置き、赤い雑貨を飾りました。イメージはロンドン風、ブリティッシュ・グリーンです。
そして、LDKの向かいにあるセカンドベッドルームの壁はイエローです。インドっぽいターメリックカラーで、照明、雑貨、ファブリックもそれに合わせてコーディネート。今は、漫画を置いて読書部屋にしたり、友人が泊まりに来たときの宿泊部屋として使ったりしています。将来は、子供部屋にする予定です。
この部屋の中に、ウォークインクローゼットがありますが、こちらは壁、床がレッドです。床はカーペットを敷いたのですが、レッドの面積を広くして、ハッとする空間に仕上げました。
玄関の土間は、ブルーです。DIYが好きな2人が、自分たちで完成させたいと希望したので、リノベーション直後は壁がブルーの、がらんとした空間でした。2人で棚をつけて家具や雑貨を置き、まるで洋服屋さんのように仕上げました。靴、アウター、夫のコレクションであるフライターグのバッグなどの収納場所としても機能しています。
同じブルーを使ったのが、トイレです。こちらは天井もブルーで塗り、壁1面だけレッドをプラス。同じブルーでも玄関の土間とは違う雰囲気です。ロンドンの地下鉄のポスターを飾り、旅気分を盛り上げます。
LDKの奥にあるワークスペースは、あえてホワイトにしました。さらに、その先にある寝室は淡いブルーで、家具や雑貨も必要最小限にした、シンプルな空間です。他の部屋との違いを楽しめます。
色をたくさん使いたいときは、どんな雰囲気にしたいのかを言葉で表現するといいですね。Hさんご夫婦のようにキーワードを旅と決め、国や街をイメージしながら相談できると、私たち設計する側もわかりやすいです。他にも、映画や音楽、ファッションなどでも。世界観を共有できると、希望通りのリノベーションになると思います。
間取りとリノベーションの写真(写真をクリックすると、次々とご覧いただけます)
Hさんご夫婦に聞く
リノベーションQ&A
Q1 今回のリノベーションで一番大切にしたことはなんですか?
働き方の変化で家にいる時間が多くなり、毎日過ごしても飽きない、いつでも旅の途中のような気持ちになる異国情緒を大切にしました。部屋ごとにペイントする色を複数採用したり、床もタイルをメインにしたりすることで具現化できた気がします。
Q2 リノベーションのプロセスで楽しかったことは?
玄関からそれぞれの国に旅に出るようなイメージの部屋作りをしたので、出来上がりを想像しながら色や材質を検討するタイミングが、一番気持ちが高揚しました。
Q3 また、プロセスで大変なことはありましたか?
コロナ禍ということもあり、ショールームがお休みのケースも多く、現物の確認が取りづらかったです。これは、この時期特有の大変さでした。
また、現地で確認しなければ発覚しにくい懸案事項もあるので、ブルースタジオさんと相談しながら進めました。自分たちの生活動線など“行動”の可視化・言語化は、意外に難しい作業だと感じました。
構成・大橋史子
からの記事と詳細 ( 〈245〉カラフルな部屋で毎日が楽しくなる! “旅する”住まい - 朝日新聞デジタル )
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