某月某日、前回、「タイタンをクビになるのか」という日記を書いたが、厳密にいうと、タイタンとは業務提携をしているので、クビ、というのはおかしい。
業務提携解消、ということになる。
この件、タイタン再度からの反応はなかった。あはは。マジで、クビになるかもしれない。困る~。
テレビに出たがらないロートルのおやじに商品価値はないものね。
NHKの「パリごはん」もそろそろ、終わるだろうし、そうなると、漫才師でもない父ちゃんの窓口をやる意味がタイタンにはなくなる。たしかに。
ぼくがテレビによく出ていた時期は、タイタンの施設で寝泊まりをすることが多かった。
なので、楽器などもそこに置かせてもらうことが出来た。
しかし、前回、その施設ではもう寝泊りはできない、ということを通告されたので、荷物をまとめて出たのである。(社長、ここはネタですから、お許し下さい)
そこがどうなるのか、詳しいことは聞いていないが、たしかに、いつまでも、宿を借りているのも不自然なので、ものにはけじめというものもある、東京に小さな部屋を借りようと思ったのだった。
そしたら、ぼくの同世代の友人シマちゃんが、彼がやっているレジデンスに一室、空きが出るから貸すよ、と言い出した。
まだ写真は見てないけれど、ひとりで寝泊まりするには十分の広さである。45平米くらいということだった。素晴らしい。
今日、ZOOMでやりとりをしたのだけれど、
「調べたら、たぶん、大丈夫だと思う。ツジちゃんが寝泊まり出来るか、明日、見てくる」
というのである。ほえ、シマちゃん自ら、見に行くのか・・・。かたじけない。
「写真、送るから、気に行ってくれたら、借りてよ」
友だち価格で貸すというので、値段を恐る恐る聞いたら、ひゃあああ、びっくりするくらいに安かった。マジか。
「いいの?」
「いいよ。そのかわり、日本で大暴れしてくれよ。ノルマンディは遠いよ」
おお、いい話だ。
小淵沢の家を売ったのはいいのだけど、その直後に秘書の菅間さんが亡くなられて、買ってくださった方のご厚意で、実は、ぼくの私物をそこに置いたままなのである。
ほとんどが、本、作品(写真とか絵画)、楽器(ギター20本)、資料など、コンテナ一台分もあるのだ。
半分ほどは処分をして、貴重なものはその部屋に運び入れたい。(いつか、日本のデパートで回顧展をやる時とかに役立つ、・・・、あはは)
いきなり、話が進んでしまった。
「ツジちゃん、部屋がちょっと古いから、ツジちゃんが暮らしやすいように、リハウスやろうかなと思っているんだ。ならば、ツジちゃんの意見を多少聞いて、自由に暮らしやすい世界にしていいんだけど。ツジちゃんが作ったノルマンディのアパルトマン、かっこいいよね。あんな世界とかどう?」
神!?
こんな調子いい話を聞いていいの? マジか・・・。涙。
「島田さん、ぜひ、お願いします」
態度をころころと変えてしまう、カメレオン・父ちゃんなのであった。
「だからね、ツジちゃん色に染めていいんだよ」
「おおお!」
「それに、ツジちゃんが住んでくれるなら、うちも嬉しいよ。文豪がそこで小説書くんだろ~?」
「よせやい、シマちゃん、文豪なんて。ふんこーだよ」
「何、言ってんだよ。サヨナライツカはバンコクのマンダリンオリエンタルで書いたんだよね? ツジちゃんがうちのレジデンスで暮らして、そこで本を書いてくれたら、ファンとしてはやっぱ嬉しい」
おお、忘れていた。
あの小説はマンダリンオリエンタルのスイートルームを舞台にしているのだ。なるほど、確かに、昭和の作家ってみんなホテルで小説を書いていたね。昔の出版社、お金あったから・・・。
三島先生は山の上ホテル、太宰先生、芥川先生は帝国ホテルとか、・・・。
父ちゃん先生は、シマちゃんのレジデンス、ふふふ。
なるほど、ぼくはシマちゃんのレジデンスで新作を書けばいいのだ。
「ツジちゃん、小説、書いてほしいな。リハウスするよ」
「マジか、いいね」
一瞬、三四郎は連れていけないよなー、と頭をよぎる。ま、ジュリアかマノンに預けるか。
「ツジちゃんが小説を自由に書く部屋を作りたいなぁ。東京を舞台に書いてほしいんだよね」
「書きます」
長い物には巻かれろ、という言葉を知っているだろうか?
ぼくは今、巻かれつつあるのだ。
しかし、10か月も空き部屋にしておくのもったいない。
ぼくはちょっと頭をひねることにした。
この部屋で何か新しいことをやれないか、と・・・。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
さて、思わぬ展開になってきましたね~。明日、部屋の写真と見取り図が届くので、辻仁成東京拠点プロジェクトがスタートしそうです。そうだ、キッチンスタジオで貸せばいい・・・。あはは。
ということで、4月16日、迫ってきました。父ちゃんの「カフェ飯教室」はパリからお送りいたします。今回はzoomではなく、映像がきれいなvimeoで配信をいたします。5月7日は「小説教室」も開催。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてください。
5月29日、オランピア劇場、近づいてまいりました。フランス国内、もしくは周辺国にお住まいの皆さん、ぜひ、遊びに来てください。日本からは遠いですから、来ていただきたいですが、時間がせまってきましたから、ご無理はさせられません・・・。無理のない範囲でお願いします。あ、席は絶対売り切れませんので、当日券山ほどあり、ご心配なく・・・。
席のご予約はオランピア劇場のサイトから、どうぞ。
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https://www.olympiahall.com/evenements/tsuji/
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もしも、日本から行きたいけど、不安という皆さんには、JALパック・パリさんが協力いたしますので、こちらをクリックください。現在、日本から50名くらいの方が来るだろうという予測です。本当に、大変なところありがとう。必ず、いいステージにしますね。約束!!!
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ついでに、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。
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からの記事と詳細 ( 滞仏日記「ノマドな父ちゃん、ついに東京に部屋を借りることが、ほぼ決定の巻」 - Design Stories )
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