こんにちは、一級建築士の八納啓創と申します。会社員の方から上場企業の経営者宅まで、住む人が幸せになる家をテーマにこれまで120件の家づくりの設計に携わってきました。 『日刊SPA!』では、これまでの経験を生かし、「これからの時代に必要な住まいの姿」をテーマにお伝えしていきます。
ウィズコロナになった今、改めてこの3年間を振り返ると「家が快適でよかった」、もしくは「家がまるで牢獄のようできつかった」など、住まいに対する意識が高まった印象があります。 ただ、どちらかというと前者のように感じる人よりも、後者のように住まいに対してストレスを感じる人が多そうです。 その大きな原因が「散らかった家で過ごすこと」ではないでしょうか。実は、日本は他の先進国に比べて、片付け下手の人が圧倒的に多く、これには明確な理由があります。 多くの人は「日本は家が小さいから仕方がない」「日本の家の間取りが和室があるなど他の先進国に比べて特殊な間取りだからでは?」といったように、「家自体に問題がある」と思っているかもしれません。しかし、実際は間取りなどが原因ではないのです。
なぜ多くの日本人が片付け下手なのでしょうか? 大きく分けてふたつ理由があります。 一つ目は、「子供のころに片付けることを教えてもらわなかった」から。 例えば他の先進国は、幼少期のころから子供部屋を使って、部屋の片づけを学ばせる文化があります。おもちゃ箱の周りのスペースを整理整頓するところからスタートし、子供部屋を与えられた時点で、部屋を整理整頓することを学んでいきます。 家庭によっては、片付けられない日々が続いた場合、罰として部屋を没収したりする……。そういう経験を経ているからこそ、整理整頓が身についていくのです。
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