ハチ公像が初めて部屋の中に入った。JR渋谷駅前のハチ公の銅像が12日、1日限定でアート作品になった。仕掛けたのは、現代アーティストの西野達さん(63)。今年生誕100年を迎えたハチ公に「びっくりしたかな。長い間、お疲れさま」と声をかけた。
ドイツを拠点に活動する西野さんは、シンガポールのマーライオンの実物を「部屋」の中に入れた「マーラインオンホテル」などの作品がある。10年ほど前から、かつて近くで暮らしたこともある渋谷区の象徴ハチ公像を、作品にしたいと考えていたという。
今回、渋谷芸術祭や、銅像の作者安藤士さんの長女淳子さんの協力を得て、12日午前7時から午後10時までの1日限定で、ハチ公が部屋の中に入ってベッドの上に座る作品が実現した。
普段外にいるハチ公が部屋の中にいる逆転現象をつくり、「見る人の想像力を刺激し、拡張したい」と話す西野さん。海外では2カ月間ほどの作品になることが多いが、今回は渋谷区や警察との調整で1日限定となった。「2023年の日本の東京で、1日でもこれができたのは満足。こういった作品を見た人が面白いと思って、アートの自由度が増えるといい」と話した。
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