亡き寺尾の思いは、錣山部屋のちゃんこに宿っていた
1月3日放送のTBS系「マツコの知らない世界」で、「相撲メシ」についてプレゼンする機会をいただきました。錣山部屋のちゃんこも紹介されましたが、時間内で伝えきれなかったことを追記します。
昨年12月17日に、元関脇寺尾の錣山親方が60歳で死去。部屋のちゃんこにも、師匠の思いがたっぷり詰まっていました。
大相撲
番組の収録に合わせて錣山部屋のちゃんこについて取材していた。収録後も追加で情報を収集していた。
12月14日、実際に錣山部屋でちゃんこをいただいた。訃報が飛び込んできたのは、そのわずか3日後だった。
思い返してみれば、錣山親方の思いは、ちゃんこをめぐるあちこちに宿っていた。
錣山部屋の「ちゃんこ番」は、4、5人ずつがA~C班に分かれ、3日に1回、昼と夜のちゃんこを作る。
ちゃんこ番は、こんな感じで貼り出されている。
A班 聖冴・天・実岬・明人・俊太
B班 大輔・一誠・知弥・隆人
C班 敦裕・将輝・幸太・寧
よほど詳しい人でなければ、誰のことか分からないかもしれない。
しこ名などに変換すれば、こうなる。
A班 聖冴・天・鶴ノ海・瞬鶴・木村俊太(行司)
B班 寺尾海・川渕・宮田・床瑛(床山)
C班 葵・将軍・松本・伊藤
実際に、錣山親方は弟子たちのことを全員、下の名で呼んだ。「同じ屋根の下で暮らす家族だから」。
関取はもちろんだが、幕下15枚目以内に入るとちゃんこ番は免除される。ちゃんこ長はいない。全員が関取を目指して、しっかり稽古をすることを狙いとしている。すべて前師匠の考えだ。
その代わり、昼のちゃんこは必ず、諸川マネージャーがちゃんこ番に入る。
鍋は本場所中は夜だけ、本場所以外は昼だけ作る。「場所中は、夜にお客さんがいらっしゃるので、夜にボリュームを持たせているんです」と諸川マネージャー。
食材の管理もしっかりしている。
「週間ちゃんこメニュー表」(写真)には、「献立」と「必要な食材や調味料」を書き込む欄がある。
買い出しは週に1度。諸川マネージャーのほか、力士2人が、業務用スーパーの「ハナマサ」とディスカウントスーパー「オーケー」を回って、1週間分の食材を準備する。
ちゃんこの撮影をお願いした日。諸川マネージャーに「せっかくだから食べていってください」と誘っていただいた。
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1996年入社。2023年11月から、日刊スポーツ・プレミアムの3代目編集長。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。 X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで、大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。
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