日本相撲協会は10日、東京・足立区にある玉ノ井部屋の十両富士東と幕下以下の力士17人が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。

また同部屋に所属する玉ノ井親方(元大関栃東)と力士全員は秋場所(13日初日、東京・両国国技館)を全休し、外出禁止とすることも決めた。

5日に感染が判明した幕下以下の力士1人も、玉ノ井部屋所属の力士だった。以降、協会は足立区保健所に相談し、指示を受けて同部屋所属の協会員32人に新型コロナ感染の検査を実施したところ、新たに18人の感染が判明した。

合計19人の内、12人がすでに医療機関に入院しているが重症者はいない。無症状の7人については随時、入院治療を行うとした。

報道陣の電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)は、同部屋所属の行司、呼び出し、床山、世話人に関して「裏方については話を聞いたところ、部屋に全く行っていないとのこと。感染症の先生と話したところ、そういうことなら(出場は)問題ないとのこと」と明かした。

同広報部長は、休場する力士らの成績について「それは審判部が場所後の編成会議で決めること。今は申し上げることはできない」と説明。しかし「何からしらの形でとらないといけない。感染が悪い訳ではないので」と救済措置がとられる可能性を示唆した。

現段階で、他の部屋からの体調不良の報告は届いていないという。これまで協会は各部屋に対して、八角理事長(元横綱北勝海)名で厳しく感染防止徹底の通達を行ってきた。それでも発生した集団連鎖感染。芝田山広報部長は「ウイルスは目に見えるものではないので避けられない。こうなるのは仕方ないと思っている」と感染防止の厳しさをあらためて痛感。しかし他の部屋で感染が起きていないことから「そこの部屋で収めることが大事。そこで食い止めることが重要」と話した。

秋場所の開催については「1つの部屋で(感染者が)出たけども、封鎖はしっかりできているので開催は全く問題ない」と断言。開催方法などに変更はなく、予定通りに開催する。