大阪市城東区の住宅密集地の賃貸マンション2棟が「ハの字」形に傾いている問題で、歴代の所有者で引き継がれた建物の図面と実際の構造が異なることが30日、分かった。傾斜が大きい南側の建物で、図面上の部屋数は28室だが実際は約2倍の60室存在する。新築時に行政に提出した図面であれば建築基準法に抵触する恐れもあり、大阪市が詳しい経緯を調査している。
2棟は兵庫県加古川市内の工務店が昭和61年に相次いで新築。建築調査の専門機関が実施した平成25年の調査によると、南側建物の屋上では、横幅1メートルの水平面に対する勾配の高さが垂直方向で最大15・6ミリに達する。建物がふぞろいに沈み込む不同沈下が発生している可能性が高く、倒壊リスクもあるとされる。この調査後、南側の建物の所有権は3回変わっている。
歴代の所有者が引き継いだ南側の建物の図面によると、部屋数は実際の60室よりも32室少ない28室で、1フロア当たりの部屋数や階段、廊下の配置などが実際と異なっていた。
大阪市などによると、工務店側は建物の設計図面などを市側に提出。工事前の昭和60年9月に建築確認を受け、法令に適合するかどうかの審査を通過した。
市は当時、完成後の建物構造が図面通りであることを確認するため、市の担当者による検査を所有者側に求めていたが、あくまでも任意だった。実際に検査を実施したかどうかは不明だが、提出図面と完成後の建物の構造が異なれば、建築基準法に抵触する恐れがあるという。
新築時に市側の建築確認を受け、その後25年以上にわたり建物を所有した工務店は取材に対し、「物件の図面など全ての資料は売却時に引き継ぎ済みで、建築時の事情を知る社員もいない」と回答している。
からの記事と詳細 ( 【住宅クライシス】部屋数が図面の2倍に、傾斜マンション構造 法に抵触の恐れも - 産経ニュース )
https://ift.tt/3t6MfB0
No comments:
Post a Comment