
【テレビ用語の基礎知識】 著名な方の訃報が相次いでいますね。看護師さんから「3人乗りのジェットコースター」という話を聞いたことがあります。その病院ではおひとりが亡くなると、2人くらいは続けて亡くなる場合が多いため、院内でそんなふうにささやかれているという話でした。季節的な要因で、ご高齢の方が体調を崩されやすいとかあるのでしょうね。 以前、私のいた放送局の人気女性アナウンサーが訃報を“トホウ”と読んだときのことは非常に印象に残っています。ダジャレっぽくなってしまいますが、報道センター全体が“トホウ”に暮れていましたね。「若いアナウンサーは思いの外漢字を読めない」という教訓を得ました。 「訃報」で「アナウンサー」といえば、意外と知られていませんが、「ご冥福をお祈りします」という表現は放送では使用しないほうがいいことになっています。「冥福」は仏教用語なので、仏教徒以外に使うと失礼ですし、仏教でも浄土真宗は「往生即成仏」つまり、亡くなったらすぐ極楽浄土に行くので、冥土での幸福を祈らないそうです。 訃報を伝える時点では宗教は分からないのが通常なので、「お悔やみ申し上げます」という表現を使うか、軽く会釈するのが良いとされています。 かつては訃報には色のついたテロップは使わないのが常識でした。どのニュース・情報番組もグレーや紺などをベースにした「訃報用のテロップ」を用意していました。特に「赤色」は血を連想させるので絶対NGですが、最近は意識も変わり、ニュースは番組テーマカラーが赤色だったりする場合も多いので、訃報で赤を使っても平気な番組もありますね。 そして訃報で現場が一番力を入れるのは、亡くなった人の出演映像を集めること。僕がいたテレビ朝日では、誰もが『徹子の部屋』のプロデューサーさんの携帯電話の番号を知っていました。 まず間違いなく『徹子の部屋』にはみなさん出演されているので、「訃報、即『徹子の部屋』に電話」が体に染みついています。 ちなみに日頃は過去映像の使用をなかなか許可してくれない芸能事務所でも、訃報だと意外と許可してくれます。場合によっては事務所が出演映画の権利をクリアしてくれたりもしていて、「過去の名作」が堂々と使えたりするのも訃報ならではです。「追悼再放送」みたいなものも恒例になりつつありますが、まさにテレビらしい追悼の仕方ではないでしょうか。 『北の国から』って改めて良いドラマでしたよね。田中邦衛さん、お悔やみ申し上げます。 ■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。上智大学文学部新聞学科非常勤講師。1992年テレビ朝日入社。スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える! 「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版)。
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