2021年7月29日(木)
深夜 階段で部屋へ
宿泊所 エレベーター使えず
東京五輪・パラリンピックで選手やメディアなど大会関係者を輸送するバス乗務員。全国から数百人が集められていますが、24時間体制のきつい仕事に加え、劣悪な宿泊環境に怒りと不安を募らせています。本紙へ寄せられた反響を見ると…。(遠藤寿人)
東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターに宿泊するバス乗務員は、送迎バスに乗り、若洲、築地、葛西にあるデポ(車庫)に向かいます。そこから選手、国際競技連盟関係者、メディアなどに輸送サービスを行います。五輪の選手・競技役員は約1万8千人です。
Aさんはセンターから午前11時ごろ送迎バスで片道45分かけデポに向かいます。休息を挟みながら、翌日午前0時すぎまで勤務。また45分かけてセンターに戻ってきます。
デポにはキッチンカーが1台と弁当の露天販売。24時間対応は、自動販売機のカップラーメンがあるだけ。
Aさんは「好きなものが食べられないのはストレスがたまる。デポも24時間稼働のため常にバス乗務員が行き来して休息所は密の状態です」と話します。
さらに、宿泊するセンターでは、エレベーターが使えない棟があり5階以上の階でも往復、外の非常階段を利用せざるを得ませんでした。「乗務を終え疲れた体で部屋まで階段を上るのは、あまりにもひどい対応だ。ワクチンも打たずに、全国各地から家族を残して五輪のために来た乗務員への扱いがひどすぎる」と怒ります。
19日には、メディアを輸送するチームに衝撃が走りました。海外のメディア関係者から陽性反応が出たと報じられたからです。しかし、どこの国の人か発表がありませんでした。そのため、自分が濃厚接触者かどうか確証がもてないのです。
Bさんは「どこの国の人で、どこのホテルか、コースをたどれば分かる。発表がないからみんな戦々恐々としていた」と話します。
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