えっ? 試合途中に姿が消えた? 日本ハム新庄剛志監督(50)が26日、DeNAとのオープン戦(名護)の5回終了後、隣接するチーム宿舎に、まさかの“帰宅”。部屋のバルコニーから試合を俯瞰(ふかん)した。この日は、先発したエース上沢直之投手(28)が、BIGBOSS指令で“監督”として指揮を執った。チームは4回までに5点を失い、0-5でオープン戦黒星スタートとなった。

一体、どんな心境だったのか。BIGBOSSが試合途中で、まさかの“帰宅”だ。エース上沢が「1日監督」としてベンチ入り。オーダー決定など、采配を一任していた。新庄監督は「ベンチ入りはしない」という事前の予告通りに、監督室などで試合を観戦。異変が起きたのは、5回終了後だ。試合は今季実戦初登板だった先発の上沢、2番手の金子、3番手ロドリゲスが4回までに5点を失い、0-5と一方的な展開になっていた。愛用の赤いキックボードにまたがって球場を後にしたBIGBOSSは、隣接するチーム宿舎にいったん戻って、部屋のバルコニーからグラウンドを俯瞰(ふかん)した。

試合後にはインスタグラムを更新。BIGBOSSの指令で、敗戦の罰として坂道ダッシュ15本をこなすベンチ入りメンバーの姿をバルコニーから動画に収め「試合に出てない選手も連帯責任で走らせる!!」とコメントした。“先発オレ”を実行したものの、1回を2安打1失点(自責0)だった上沢は「考えたことが、うまくいかなかった。監督業って、すごく難しい。シーズン中は(新庄監督に)こういう思いをさせないように頑張ります。(監督は)退任します」と、苦笑いだ。

林ヘッドコーチは「すべてはチームの一体感を出すため」と新庄監督の思いを代弁し、姿を消した行動に「『今日は全て“上沢監督”に託す』とベンチに入らなかった。『いろいろな角度で試合を見たい』と言っていた」と説明した。スタメン発表時にはビッグボスステージの上から客席に向かって拍手を促し、試合後には再び球場に戻って、居残り練習を見守ったBIGBOSS。初のオープン戦で抱いた思いは報道陣に明かすことなく、そっと胸にしまった。【中島宙恵】