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Friday, April 29, 2022

朝青龍は怖いし、部屋は消滅…土俵際の元高見盛がつくった「逃げ道」 - 朝日新聞デジタル

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 大相撲の元小結高見盛(45)=現東関親方=と言えば、立ち合い前の独特なルーティン。

 大量の塩をまき、胸や顔をパチンパチンたたいて、ほえる。ギクシャクした動きから「ロボコップ」とも親しまれた。

 本人にすれば、パフォーマンスではなく、怖さをごまかすための策だった。

 数々の失敗と、苦難にぶつかってきた相撲人生。それでも……。

 「一番しんどいのは、正直、いま」だという。

     ◇

 〈日本大学時代にアマチュア横綱となり、鳴り物入りで角界入りしたのが1999年春場所。スピード出世し、幕内2場所目だった翌年秋場所で、右ひざの靱帯(じんたい)を断裂した。長期休場とリハビリを経て、1年半かけ、幕内に戻ってきた〉

 取組前のルーティンを始めたのは、右ひざを大けがした後。恐怖心を取っ払えないかと思ったんです。

 十両優勝して、再入幕しました。少しは自信がわいていたんですが、やっぱり土俵に立つのが怖かった。

 ゾワッと来るんです。

 最後の仕切り前、行司さんの言葉を聞くときです。

 「時間いっぱいです」

 右足が自分のものじゃないと思ってしまう怖さ、リハビリのつらさ、番付を落とした切なさ、やるせなさ……。

 「もう治ったんだ。大丈夫だ」

 頭では分かっていても、自分にこびりついています。

 なんでもいいから恐怖を取り除ければいいと、自分の顔をぶん殴ったのが最初です。

 緊張しやすい性格ですから、アドレナリン、闘争心が分泌されるかも、という思いもありました。

 〈支度部屋に来るまでその日の対戦相手を聞かないようにしていた。心をコントロールするためだった〉

 T.M.Revolutionなどの激しい音楽を聴いたり、格闘技の漫画を読んだりして、自分の気持ちを高ぶらせたり。できることは何でもやりました。

 〈器用ではない。失敗談は尽きない。現役時代、遅刻しては叱られ、私生活が週刊誌を騒がせたことも。親方になりたての頃、大事な会議の会場を予約し忘れた。勝負審判の場内アナウンスで言葉がうまく出てこず、場内をざわつかせたこともある〉

 次は気をつけようと思うんですけど、どれだけ気持ちが張っていても、ミスはするんですよね。

 でも、開き直りも必要だと考えました。

 自分の性格と行動は変えられないですから。注目されたとしても、周りの目を気にしていたら何もできない。

 そのために、自分の行動に責任を取ればいいと割り切るようになりました。

 周りに被害を与えてしまったとしたら、その代償を自分が払えばいいんだと。

 〈苦しい時、支えにしている…

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