2022年6月30日 12:00
フランスの名優マチュー・アマルリックの監督としての新作で、ビッキー・クリープスが主演する「彼女のいない部屋」の予告編が公開された。
昨年のカンヌ国際映画祭で2021年に新設された「カンヌ・プレミア」部門に選ばれた本作、海外資料にあるストーリーは「家出をした女性の物語、のようだ」という1行のみ。本作ではかつてないモンタージュで人間の感情を表現し、フランス公開時にも、物語の詳細は伏せられ、展開を知らない観客が、ある真実に気づいたときに大きな衝撃で心が動揺するほど感動したという作品だ。フランス国内では「アマルリックの最高傑作ではないか?」と絶賛されている。
アルノー・デプレシャン、オタール・イオセリアーニ、ウェス・アンダーソン、黒沢清ら名監督作品への出演、「007 慰めの報酬」での強烈な悪役など、俳優としての活躍はもちろん、監督としてもトップクラスの実力を持つアマルリック。本格的な長編監督第1作「さすらいの女神たち」は、カンヌ国際映画祭の監督賞・国際映画批評家連盟賞を受賞。2017年の「バルバラ セーヌの黒いバラ」は、カンヌ国際映画祭ある視点部門の開幕作に選ばれた。
予告編は、ひとり遠くへ車を走らせる、主人公のクラリスの姿。彼女の夫や子どもたち、雪山を歩くクラリスと、時系列のわからない場面が連なり、最後までミステリアスな映像だ。映像とともに印象的なのが音楽で、ベートーベン「エリーゼのために」に始まり、フランス・バロックのラモー作曲「ガヴォット」をピアノが奏で、伝説のサイケロックバンドとして知られるブライアン・ジョーンズタウン・マサカーの知られざる名曲「OPEN HEARTSURGERY」がメロディアスに響く。そして予告編最後にはアマルリック監督からの「彼女に何が起きたのか、映画を見る前の方々には明らかにしないでください。」というメッセージが映し出される。
8月26日から、Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開。
(映画.com速報)
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