生活の知恵を授かるコーナー「スーさん、コレいいよ!」
ゲストは国際災害レスキューナースの辻直美さんでした。
9月1日は「防災の日」。みなさん「防災」について考えるタイミングにもなったかと思いますが、「防災の対策をしよう」と思っても、何から準備したらいいか、わからないですよね。また「いつ起きてしまうかわからないこと」に日々、お金を使うのも正直、難しい話。
日本に住む上で「地震をなくす」ということはできないので、今回は「地震が起きてしまったときに減災できる、被害を減らすような対策」を中心に、「今すぐに始められる地震対策」をお伝えしていただきました!
『部屋を360度、ぐるっと見回してみよう!』
地震の対策でまず大切なことは、部屋の中の「危険なポイント」を見つけること。
例えば「逃げる場所はあるのか」「物が落ちたときに被害があるのかどうか」「いざ被災したときに必要なものはどこにあるのか」など。普段の生活だと、案外、いつもよくいるスペースにしか目がいきません。
大きい地震が起きると、4つのことが起きます。
・それは、「落ちる」「倒れる」「移動する」「飛ぶ」ということ。
この4つの動きに備えながら、安心して住める家にするのが、地震の対策ができている と言えるでしょう。
▼対策方法として、5つのポイントがあります。
① 腰より高い位置に重いものを置かない
・「これ、この高さだと危ないかなぁ」と少しでも思ったものは地震のときにあなたを傷つける可能性があるものです。
②家具の重心を低くする
・重心が低いと、とにかく転倒するリスクが減ります
③玄関までの避難路を確保する
・なんとなく置いてしまっているダンボールなどは速やかに片付けましょう
④寝る前だけ片付ける
・夜間の被災に備えるのが一番の理由です。
・夜に片付いていない状態で停電が起きてしまった場合、ちらかっている部屋で何かを踏んでしまって、足を怪我してしまう可能性があります。
・1日何回も片付けなくていいので、夜だけは頑張りましょう。
⑤どこか一か所「安全地帯」をつくる
・部屋の一角でも構わないので、「地震が起きたらここに逃げる」というスペースを家の中に作っておきましょう。
・そこに食料や水の備蓄を置いておけば、キッチンがぐちゃぐちゃになってしまっても、少しの間はどうにかなります。
▼ちなみに辻さんは阪神淡路大震災の時に、2m先からテレビデオが飛んできて、眼底を骨折してしまったそうです。急に片付けや対策を進める必要はありません。「一番長く過ごす部屋から」や「家族が多くいる部屋」から少しずつ進めてみてください。
『滑り止めシートや粘着ジェルを活用しよう』
「落ちる」「倒れる」「移動する」「飛ぶ」を最も効率よくおさえるのが滑り止めシートや粘着ジェルです。メッシュになっていて、はさみで簡単に切れるものや、シリコンのゴム製のもの、シートタイプ、シールタイプなど、さまざまなタイプのものが販売されています。辻さんも使用しているのは、近所の100円ショップで売っているものだそう。
▼価格が高いものじゃなくても全く問題ありません。
▼部屋を見渡してみて、気になる部分に使用してみましょう。
▼綺麗にカットしたり、サイズを統一したり、細かく考える必要はありません。適当でかまわないので、使用してみてください。
▼これをやっておくだけでも、その部屋の安全指数が格段に上がると思います。
▼私が考える防災対策の最大の目的は「被害を0にすること」というよりは、「早く日常の姿に戻すこと」です。
▼被災時の片付けは普通の片付けよりも、メンタルの負担が大きいので、少しでも自分が楽をするために、使用してみてください。
『何よりも必要なものは‘トイレ’』
▼人間はご飯を食べなくても、水を飲まなくても、72時間は生きることができると言われています。
▼ただ、「被災から3時間以内にトイレに行きたくなる人」が68%いるという調査の結果が出ています。
▼生理現象なので、もちろんどうすることもできないですよね。
▼大きな地震が起きたときには、地下にある下水道の配管が壊れている可能性があるので、通常通りトイレを使用したり、貯めていたお風呂のお水で流すのはオススメできません。
▼よく販売されている「防災セット」などに入っているものでも構いませんし、もし持っていない方は、100円ショップなどで売っている「簡易トイレ」だけでも購入しておきましょう。もしものときに役に立つかもしれません。
▼「あったらいいもの」ではなく「なかったら困るもの」から考えてみてください。
辻さんの最新刊『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』が扶桑社より税込1320円で発売中です。
地震に強くなる部屋作りの工夫がたくさん載っています。
【プロフィール】
▼辻さんのプロフィールですが…
・国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。
・看護師として活動中に、阪神大震災や地下鉄サリン事件を経験。
・看護歴31年、災害レスキューナース歴27年の大ベテラン!
・著書には『レスキューナースが教える プチプラ防災』などがあります。
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