部屋を暖かく保つポイントは"カーテン" 今すぐできる熱を逃さない使用術4選
2022/12/09 10:06 ウェザーニュース
今回はカーテンの使い方で室内をグンと暖かく保つ方法を、一級建築士の前澤優太さんに伺いました。
「日本の住宅の窓は、約90%がアルミサッシ製です。アルミは熱の伝導率が良く、樹脂製や木製の窓に比べて約1000倍も外の寒さを伝えます。欧米では樹脂製や木製の窓が多く、寒冷地ではアルミサッシ製の窓を禁じている地域もあるくらいです」(前澤さん)
日本の家屋が、冬の寒さに弱いのは「窓のせい」なのでしょうか。
「窓も大きな原因だと思います。YKK AP株式会社の試算によると、室内を暖房しても52%の暖気が窓から流出しています。暖気の流出は、外壁が19%、換気が15%、床が9%、天井・屋根が5%ですから、窓から逃げる割合が圧倒的に高いと言えるでしょう。部屋を暖かく保つためには、窓の断熱が不可欠となります」(前澤さん)
とはいっても、今から二重窓や断熱加工が施された窓にするには一苦労です。
窓の断熱にはさまざまな方法がありますが、カーテンを正しく使うのが、最も手軽にできる寒さ対策だと前澤さんは語ります。窓から熱を逃がさないために、今すぐできるカーテンの使用術を4つ教えてもらいました。
「シャッター、窓、レース、ドレープカーテンを、隙間なく閉める」のが、防寒対策の第1だそうです。
買ってあるカーテンが「もう少し長ければいいのに」と思ったときは、どうすればいいのでしょうか。
「多くのカーテンは、アジャスターフックでレールに吊られているはずです。アジャスターフックは可動式なので、購入後でも10cmくらいは位置を変えられます。上か下かだけでなく、中間の位置にも止められるので、ちょうど床に着くくらいの長さに調整してください」(前澤さん)
新たにカーテンを買う場合は、正確に採寸したほうがいいそうです。
横から入り込む寒気を防ぐには、ドレープカーテンの一番端のフックを外し、レース用レールの一番端にある固定リングにはめればいいのです。こうすると、サイドの隙間から熱が逃げるのを防げるだけでなく、午後のまぶしい日差しを防ぐこともできます」(前澤さん)
リターン加工と呼ばれる縫製方法が採用されているカーテンもあります。この方法でつくられたカーテンは、横幅が10cmほど長くなっていて、両サイドをレース部分まで覆うことができるので、部屋の寒さが気になる人は、新たに買うときに検討しても良いでしょう。
「お天気のいい日の昼間は、カーテンを開けて日差しをたっぷり取り込んでください。一方、夕方になって日が落ちるとすぐに外気の温度が下がり始めるので、カーテンは日暮れ前に閉めなければなりません。昼間取り込んだ暖気を逃がさないためには、早めにカーテンを使ってさえぎる必要があります」(前澤さん)
カーテンの使い方ひとつで、部屋の暖かさは大きく変わるそうです。
二重窓にリフォームしたり、窓下にヒーターを設置したりするなど費用のかかる方法ではなく、今使っているカーテンでできる「使用術」を紹介しました。みなさんも、ぜひ試してみてください。
YKK AP株式会社「冬のヒント『窓と冷気』」(https://ift.tt/u3gI7pG)
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