20歳未満の幕下以下力士が秋巡業中に飲酒していた問題で、新事実が25日に判明した。秋巡業に参加している若松巡業部副部長（53＝元前頭朝乃若）によれば、当該力士と師匠の九重親方（47＝元大関千代大海）のほか、酒席に同席していた兄弟子も謹慎処分を受けていた。当該力士は九重親方から突き放されるような対応をされ、地元に戻りマゲを切った。

九重部屋の幕下以下力士は秋巡業中の14日夜、成年の兄弟子、部屋に出入りする知人と名古屋市内へ食事に出かけた。知人に酒を勧められたが、本人は断り、兄弟子も止めた。しかし、知人と店のおかみから強く勧められ、飲んでしまったという。

その後、宿泊先ホテルの門限である午前0時をすぎたため店を変えて飲酒を続け、朝方に当該力士と兄弟子はタクシーで愛知県大府市の巡業会場入り。具合が悪くなって救急車で病院に搬送された。

大事には至らず、17日の岐阜県多治見市での巡業に参加。その後、親方と力士2人は19日に日本相撲協会で事情聴取を受け、謝罪した。九重部屋に戻ると、周囲から口を聞いてもらえず、師匠からは「1年間外出禁止」の処分を科された。

当該力士は21日に実家に戻り、翌22日には地元の理髪店でマゲを切った。24日には、協会から謹慎処分が発表された。この日、日刊スポーツの取材に応じた若松親方によると、兄弟子も謹慎処分という。発表から一夜明けたこの日、九重部屋関係者や力士は記者の問いかけにも無言を貫き、足早に部屋に入っていった。また、日本相撲協会コンプライアンス部長の花籠親方（元関脇太寿山）は、日刊スポーツの連日の取材要請にも対応しなかった。

当該力士に近い関係者は「冗談にしても言ってはいけない言葉を親方から言われたようだ。あの親方のもとには返したくない」と話している。