女優、タレントとして幅広く活躍した中村メイコさん(本名・神津五月=こうづ・さつき)が昨年12月31日午後10時45分に都内の病院で肺塞栓(そくせん)症で死去した。89歳だった。所属事務所のホリプロによると既に親族での密葬を済ませており、後日、お別れの会を執り行う予定。喪主は夫の善行(よしゆき)さんが務めた。2歳でデビュー、芸能生活86年の昭和芸能史を象徴する1人がまたこの世を去った。

中村さんの親友の黒柳徹子(90)が追悼コメントを発表した。中村さんは昨年12月にはテレビ朝日系「徹子の部屋」に出演していた。

以下、コメント全文

メイコさんと最後に会ったのは今から2週間前の「徹子の部屋」でした。ちょうど、クリスマスの日でした。メイコさんは元気で「私が死んだら弔辞はあなたが読むのよ」なんて言ってました。しょっちゅうそういうことを言っていたので、特別なこととは思いませんでした。番組のおわりで「メイコさん、夢は?」と伺ったところ「犬の役も猫の役もトンビの役もやったからないのよね~」が喜劇女優、最後のセリフでした。メイコさんは幸せだったと思います。家族みんなが理解してくれていたからです。2歳から仕事をしてたんですから、私から見ると変わっていましたが周りのみんなが、彼女にあわせて大切にしてくれていたからです。ふだん会うと「知らなんだ知らなんだ」と芝居じみたセリフを言ってよく笑わせてくれました。眠るように亡くなったと伺いました。デリケートな彼女が悩むことなくあちらの世界に逝かれたのは、私にとっては心がやすまることです。会うたびになんかちょっとしたプレゼントをくださる方でした。寂しくなります。