拠点を作らず、移動しながら地域に食事を届ける活動「キッチンカーで移動式子ども食堂(あい▽だいな~)」(▽はハートマーク)が1月16日、熊谷市民活動支援センター(熊谷市曙町)で行われた。(熊谷経済新聞)
企画したNPO法人「あいだ」の奥野大地副代表は「『子ども食堂』はあるけれど遠くて行きたくても行けない子もいる。それならこちらから行こうと、キッチンカーと公共施設などを利用して食事を届ける移動式の子ども食堂を企画した」と話す。
普段から市民活動の拠点として人が集まる同施設を利用し、登録団体の「あいだ」が企画し施設を運営するNPO「くまがや」と共催。調理室はないが、キッチンカーと施設の給湯室に臨時出店という形で「子ども食堂」を実現させた。
当日、キッチンカーで調理を担当したのは深谷市のイタリア家庭料理店「パンチャ・ピエーナ」(深谷市宿根)の栗原統シェフ。活動に賛同し「深谷ねぎのポタージュ」や「チキンのトマトソース丼」「パンツァネッラ」を振る舞った。本庄市のカフェ「cafe NINOKURA」(本庄市千代田)も食事を提供した。
事前に掲示やSNSを通じて呼び掛けたところ、60人以上の親子が参加。ボランティアも多く小さな子どもの手助けや手遊びなどで交流する姿が見られた。近くに住んでいるという母親は「にぎやかな雰囲気で食事ができて良かった。子どもはもっと遊びたかったみたい」と話し、親子3人で来た父親は「深谷ねぎのポタージュだったとは知らずに頂いたがおいしかった。子どももよく食べていた」と話していた。
NPO法人「あいだ」の奥野副代表は「長く準備してきた企画を実現できたことがうれしい。次につながる課題も見つかった。あえて拠点を作らないという選択を今後どう発展させていけるのか楽しみ」と笑顔を見せた。「何より参加者の皆さんの笑顔とにぎやかな声が盛況の証し」とも。
NPO「くまがや」の小林真代表は「おそらく日本初の試みだったにもかかわらず、予想以上の人たちに参加してもらい成果が得られたと思う。以前から『子どもの居場所作り』を続けてきたが、子ども食堂の活動を通じて食事だけでなく、話をしに来たり、遊びに来たり、宿題しに来たりと、子どもから高齢者まで、さまざまな年代の人たちが気軽に集まり異世代交流ができれば」と話す。
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