東京都内の高級アパートで悠々自適に暮らす男性。自宅にステージがある女性ダンサー。そして部屋中に吸音材を貼り付け、音楽製作に没頭する男性。ギャラリーに展示された作品には、いずれも強烈な個性と、その個性を物語る生活の場が写されています。これらを撮影した写真家の伊藤義樹さん(53)は、ひとりで暮らす人と、その部屋をテーマとした写真展「ひとりの部屋、ひとりの世界」を開催しました。伊藤さんは、これらの作品で何を表現したかったのでしょうか。(夏目健司)
ひとり暮らしの現実を写し、生き方を全肯定
伊藤義樹さんは今回の展示にあたり、9人の独身生活者を撮影しました。撮影場所は、その人が生活する部屋を選び、部屋の隅々にまでレンズを向けています。伊藤さんはなぜ「ひとり暮らし」をテーマとしたのでしょうか。
「ひとりの人間が考えている、ごく個人的なことがものすごく大事だと思うんです。現代はスマホのようなアイテムの普及で、いわゆる『集合知』が完成されましたが、かつて情報として意味があった物事は、意味のないものに成り下がりました。そんな中、世間にまったく発信されることのない、ごく個人的な考え方がすごく尊いものに思えるんですよね。また世の中にあふれかえっている、きれいなんだけど意味を感じにくい写真への反発心もありました」
ポートレートや芸術写真は人気がありますが、面白さがよく分からないという声も聞くといいます。
「絵の意味を感じにくいからなんですよね。今回撮ったひとり暮らしの部屋の写真は、決してきれいでも美しくもありませんが、そこで暮らしている人の背景が濃密に描き出されていて、その面白さ、意味をより感じられるんじゃないかと思ったんです」
展示される写真の中には、あまり掃除されていないような部屋や、長い間使われていないキッチンなどを切り取ったものもありました。とある人の書棚には、仕事に関する書籍と、地元グルメのガイドブックが一緒に並べられています。その人が何をしていて、どんなことに興味を持っているのか、といったことがすぐに分かります。
「きれいに撮ろうか、とも思ったんですが、建築写真のような(整然とした)写真ではなく、その人の汚い部分も濃密に写っているほうが面白いと思って、自然光であるがままに撮りました。とはいえ、ドキュメンタリー写真のような悲壮感はありません。『ここに写っている人たちは、こんなふうに好き勝手に生きているんだよ』ということを伝えたいし、その生き方を全肯定したいんです」
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