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Thursday, August 20, 2020

競合はいない。「セントラルキッチン型」再生医療ベンチャーの挑戦 - Forbes JAPAN

2019年10月、に東証マザーズに一つの医療ベンチャーが上場した。再生医療を手がけるセルソースだ。代表取締役社長CEOは、1982年生まれの裙本 理人(つまもと まさと)氏。

再生医療と聞くと難しく聞こえるが、図解を交えながら再生医療について語る氏の説明は、とても分かりやすい。先日(2020年6月)に行われた決算説明会では、リアルタイムでオンライン配信を行い、その場で受け付けたQ&Aに、自分の言葉で即座に答えていくという、これからの時代のステークホルダーとのコミュニケーションを模索する経営者でもある。

商社パーソン時代はロシアに駐在するなり剣道の道場を探して入門したり、起業時の就任役員への声がけは、思いっきり体当たりで打診したりしてきたといった行動派だ。

アマゾン ジャパンの立ち上げメンバー(社員番号4番)であり、現在はキャリアインデックス(東証一部)で執行役員を務める曽根康司氏が、裙本氏にインタビューした。今回はその後編(前編はこちら)。


「細胞治療薬」でなく「細胞加工」である理由


──再生医療について、もう少し詳しく聞かせてください。

再生医療には「細胞治療薬」といって、細胞を用いた薬を作るものもありますが、当社の再生医療関連事業は、患者の同意の元、患者自身の脂肪組織などから細胞を抽出し、当社で培養して、患者に戻すという「細胞加工」になります。

「細胞治療薬」は認可されたものを世の中に出していくため、治験を必要とすることから大きな資金が必要となります。結果的に所謂、大企業がプレーヤーとなっています。初期の開発コストが高く、上市後は規模の経済が働きやすい世界です。

一方、「細胞加工」ですが、以前は医療機関併設型しか認められておらず、株式会社による細胞加工はNG。また、設備は医療機関毎にあるため、各医療機関は大型の設備投資や雇用を必要とする一方で稼働率は低く、スケールしない構造でした。再生医療が広がらないボトルネックが細胞加工の煩雑さにありました。

セルソースでは「セントラルキッチン型」と呼んでいますが、医療機関での細胞加工の業務をアウトソースできるモデルを作り、一気に集約することを考えました。そうすれば、各医療機関はセルソースと提携することによって初期投資が不要になり、空調の24時間稼働や培養士の確保といったコストのかかる諸問題から解放されることになります。

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