将棋の藤井聡太2冠(王位・棋聖=18)が2年ぶり3回目の優勝を目指す、「第14回朝日杯オープン戦」準決勝の渡辺明名人(棋王王将=36)戦が11日午前10時から、東京都千代田区「有楽町朝日ホール」で行われた。午前10時から始まった対局は、午後0時31分、138手で後手の藤井が勝ち、同日午後2時開始予定の決勝へと進出した。

先手の渡辺が相掛かりからペースをつかみ、一時は詰み寸前まで追い込みながら、決め損ねた。

終局後、大逆転勝ちの藤井は、「後手5五角打(72手目)がハッキリ悪手。その後はかなり苦しいと思っていました。開き直るしかないと思って指してました。最後に際どく詰まないので、良くなったかと思いました」と振り返る。

決勝に向けては、「集中していい内容の将棋を指せれば」と話した。

一方、九分九厘勝利を手にしていたはずだった渡辺は、「普通勝ちなんですが、決め手のない局面が続いた。決め手をつかませてもらえない藤井さんの指し回しで逆転されてしまった」と残念そうだった。藤井には過去1勝4敗。昨年7月に棋聖を奪取された翌日のブログで「負け方がどれも想像を超えてる」とつづったが、今回も衝撃的な大逆転負けだった。

藤井は、もう一方の準決勝で西田拓也四段(29)を下した三浦弘行九段(46)と午後2時から同所で行われる決勝で対戦する。