日本資本主義の父とも称される明治期の実業家渋沢栄一の生涯を描いたNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の撮影が昨年8月末、南会津町で行われた。同町に受け継がれる伝統の藍染め文化が、大河ドラマと南会津をつなぎロケが実現した。2月14日の放送開始を前にエキストラや撮影に協力した町民たちが、ドラマの成功を願いエールを送っている。
NHKや南会津町によると、俳優の吉沢亮さんが演じる渋沢栄一の生家は藍染めの原料となる藍玉づくりなどを営む農家。昨年2月、町で藍染め体験ができる町指定有形文化財「染屋(そめや)」が制作スタッフの目に留まり、物語の冒頭、渋沢栄一役の吉沢さんが商いのイロハを学び始め、藍の買い付けなどを行うシーンの撮影の舞台に決まったという。
町民が大切に継承する藍染め。町では、体験イベントを通じて江戸時代ごろから盛んだった藍染め文化の魅力発信を続けており、撮影スタッフに町内を案内した町総合政策課の長沼正憲さん(47)らが町のPRになればと予定になかったかやぶき屋根が残る染屋を紹介したことがきっかけだった。
撮影の準備は急ピッチで進み、昨年6月ごろには、ドラマの時代背景に合わせるため、制作スタッフによって染屋の改装や外来植物の除去などが行われ、藍畑の苗も新たに植え直した。
撮影は昨年8月30、31の両日行われた。地元の古今地区の住民約30人と町職員数人が、藍農家や商人役のエキストラとして協力。吉沢さんや渋沢栄一の父市郎右衛門役の俳優小林薫さんと共演を果たした。
藍農家役で参加した広野百合子さん(68)と奥山悦子さん(69)は長時間の撮影や悪天候時の苦労話を話し、「(私たちの)幼少期はドラマでの時代背景のような生活がまだ残っていた。演技指導は必要なかったかな」と笑顔で話した。
町などによると、14、21、28日の放送で一部使用される予定という。町内で大河ドラマのロケが行われるのは初めてで、藍染め職人役で古今区長の渡部兵一さん(71)は「少しだけしか映らないと思うが、明るい話題を地域に届けられれば」と期待を寄せる。
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