「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で毎年のように日本一の評価を得る石川県七尾市・和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」グループの入社式が二十四日にあった。新入社員は一九〇六年の創業以来最多となる八十五人。新型コロナウイルスの影響で多くの企業が採用数を控える中、逆に需要が伸びるサービスを充実させるための先行投資として大幅に増やした。(大野沙羅)
旅館によると、新入社員は昨年は三十九人で、最近では二〇一五年の七十六人が最も多かった。担当者によると、コロナ禍で他の宿泊客と一緒になるレストランよりも、旅館の部屋の中で食事できるサービスが好評だという。
客足は例年並みに戻りつつあり、今後も部屋での食事に需要が見込めると判断し、パートを含む従業員はおおむね維持した上で人員を増やす。また、コロナ禍で急減した外国人客が収束後に回復して増えると見込み「おもてなし」の土台作りを図る。
旅館コンベンションホールで開かれた式では、幹部社員ら五十人以上が見守る中、スーツ姿の新入社員が入場。一人ずつ紹介され、上田凌平さん(22)が代表で小田与之彦(よしひこ)社長から辞令を受け取った。
小田社長はコロナで観光業が打撃を受けていることに触れ「コロナが明ければ二十一世紀を引っ張る産業と信じている。日本を代表するおもてなしができるよう自分を磨いて力をつけて」と激励。新入社員の藤井琴葉さん(22)が「日本一の旅館の名に恥じないよう精進したい」と二十五日からの研修に向け、決意を示した。新入社員はグループ会社二十店の中で、総合職や客室係、調理師、パティシエなどに配属される。
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