* * * case.4 本当に捨てたかったのは、未来が描けない彼との関係だった 東京都在住/独身/介護士 昨年の今ごろ、40代の独身の女性が家庭力アッププロジェクトに参加しました。彼女には物をため込むクセがありました。調味料のストックや「こんなに使う?」っていうくらい大きい製菓材料の袋から、過去に参加したマラソン大会のTシャツまで。どの収納の中も在庫過多なのに、「◯◯円以上で送料無料!」のキャッチコピーにすぐ飛びついてしまう。 ただ、物が多いとは言っても“汚部屋”ではありません。床に物が散乱しているわけではなく、ちゃんと収納棚にしまわれている。「片づけができるようになりたい」と言うのですが、実際はそれよりも、自分に自信が持てないようでした。 今回は、汚部屋の片づけとちょっと違います。ある女性が自分の生き方に片をつけたお話です。 彼女には、くっついたり別れたりを繰り返して、7年間お付き合いしている彼がいました。彼女は自分を結婚相手として選んでほしい。でも、彼は決断してくれない。「じゃあ別れましょう」とお別れするけど、しばらくすると彼から連絡があってヨリを戻す。このくり返し。 結婚について話し合うとき、彼はなんだかんだと結婚できない理由を並べます。その度に彼女は努力するけれど、「こうじゃない」「そうじゃない」と一度も認めてくれなかった。理想のお相手は「自分じゃない誰か」みたい。ゴールのないマラソンを走っているような気分でした。 「うすうす、愛されていないとわかっているんです。彼と結婚しても幸せになれないと思ってはいるんです」と、手を放したい気持ちもありました。 サヨナラしたいけど、この先、新しい誰かと出会える保証はない。7年という時間の重さや一人で生きていく不安。ほれた弱みや、今度こそ彼が認めてくれるかもしれないという期待。収納棚にストックされたナッツみたいに、心にいろんなものをため込んで、先に進めませんでした。 片づけコンプレックスも彼の影響。付き合い始めの頃、一度だけ、「片づいてないから」と彼が家に来るのを断ったことがありました。以来、「片づけられない女」と言われるようになったとか。 片づけているつもりなのにどうすればいいんだろうなぁ、とモヤモヤしていたとき出会ったのが、家庭力アッププロジェクトでした。片づいた部屋を見せて彼に自分を選んでもらおう。これで最後、と決めて挑んだのです。 プロジェクトではまず最初に、物の絶対量を減らすために不用品を家の外に出していきます。「要る・要らない」を決めるのがしんどいわけですが、手がかりの一つが「これ未来へもっていきたい?」というワード。この言葉で自問自答しながら仕分けていけば、いま必要な物だけが残っていきます。 受講生のFacebookグループには、手放す前の不用品の写真が、「#こんなもの出てきた」のタグと一緒にどんどん投稿されます。 彼女の収納からは、一回しか使わなかった大きな精米機が出てきました。玄米が日持ちすると聞いて30キロ買い込んだときに、一緒に買ったもの。結局、食べ切るのに2年もかかって、大量買いはやめたのでした。
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