岐阜県美濃市曽代の道の駅に隣接した宿泊特化型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜美濃」と、地元のイタリア料理店「DONI DONI(ドーニ・ドーニ)」(同市俵町)の連携が、好評を得ている。ホテルにはレストランなどがないため、宿泊客に地元の料理店の食事を楽しんでもらおうと、8月末から店がホテル前でキッチンカーを出店した。宿泊客のおなかを満たしつつ、夜間の食事に課題があったホテル側と、コロナ禍を乗り越えたい料理店側のニーズをかなえる好例として広がりそうだ。
ホテルは、道の駅を旅の通過点から拠点に変えることを狙いとしており、カフェやレストランはない。しかし、近隣で夜遅くまで営業する飲食店はなく、午後8時以降のチェックインが多いホテルの宿泊客からは、夜間に食事ができる場所について問い合わせる声が多かったという。
今回の連携は、市と市観光協会が市内事業者への聞き取りを進める中で両者のニーズをマッチングさせた。これまで8月28日から計4回、土曜日や祝日に午後4時から同10時まで営業。女性客らが続々と訪れ、地元産の野菜などを使ったピザやパスタを部屋で楽しんだ。
今年1月にキッチンカーを導入した同店は出店を増やしたいところだった。店を経営する園田美佐子さんは「宿泊客の需要を実感した。ホテル側のサポートもありがたい」と感謝する。今後、地元の小坂酒造場(同市相生町)の日本酒の販売なども検討中という。
ホテルの峰岸弘安支配人も「お客さまの満足度を上げるとともに、地元の店舗と一緒に美濃を盛り上げられたら」と話す。同じ系列の「フェアフィールド・バイ・マリオット・ぎふ清流里山公園」(美濃加茂市山之上町)での出店も検討しているという。
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