まさかのときに慌てないために、元気なうちに知っておきたい相続のこと。中でも「借金」にまつわる問題は、知っているか知っていないかで地獄にも天国にもなる。 【写真】「母の治療費1000万円」のため風俗に…娘の「15年の介護生活」の結末 これまで数々の相続トラブルを解決してきた司法書士で、著書『相続は遺言書で9割決まる! 』がある福田亮氏が、亡くなった息子の借金を返済しようと決意した父親に起きた「予想外の出来事」を、事例をもとに解説する。
息子の部屋からこんなものが……
「亡くなった息子に借金があるかもしれない」 相談に来たのは、目黒区に住む遠藤譲さん(仮名・当時85歳)。 自宅で息子さんが倒れ、亡くなっていたと言います。発見したとき、既に心肺は停止。救急搬送されたものの、蘇生することなく返らぬ人となりました。死因は心筋梗塞でした。 「息子の部屋からこんなものが……」 小刻みに震える手で出してきたのは、消費者金融のカード5枚と3通の督促状。 「どれだけの借金があるのかは分かりませんが、できれば息子に代わって返済してやりたいと思っています」 こうして、債務整理を依頼されました。 亡くなったのは、遠藤さんの長男、守さん(仮名・享年58歳)。アパレルメーカー勤務の現役ビジネスマンでした。結婚歴はなく、父の譲さんと実家で2人暮らし。 「仕事が忙しいのかいつも帰りが遅くてね。私とは生活時間がズレているので、あまり会話もなかったんです」 遠藤さんはポツリポツリと語りました。 「借金があるなんて全然知らなくて……」 「何に使っていたのか……」 「困っていたなら言ってくれれば……」 「息子のこと、何も見ていなかった……」 遠藤さんの言葉には、後悔の念がにじみます。
相続放棄は「死亡後3か月」まで
このように、亡くなった後から、故人が家族に内緒にしていた借金が見つかることは、少なくありません。 亡くなった方に借金があった場合でも、借金よりも遺産のほうが多ければ、遺産から借金を返済すればよいでしょう。しかし、借金のほうが多かった場合にはどうすれば良いのでしょうか。 このような場合、遺族が自分の財産から亡くなった方の借金を返済する方法もありますが、家庭裁判所で「相続放棄」の手続を取ることもできます。相続放棄をすれば、遺族は亡くなった方の遺産(プラスの財産)を相続できなくなる代わりに、遺された借金(マイナスの財産)を背負う必要もなくなります。 ただし、以下の3点に注意しなければなりません。 ・相続放棄の手続は亡くなった方の最後の住所地の「家庭裁判所」で行わなければならない(遺族間の取り決めで「私は遺産は要りません」と言っただけではダメ) ・相続放棄をするのであれば亡くなった方の遺産には一切手を付けてはいけない ・相続放棄は遺族が相続の開始を知ってから(被相続人が亡くなったことを知ってから)3か月以内にしなければならない 死亡を知ってから3か月以内という期間制限は、思った以上に短いものです。不慮の事故や予期せぬ急死であったり、大切なお子さんに先立たれたような場合、遺族のショックが大きく、気が付いたら相続放棄ができる期間を過ぎてしまっていたということもあります。
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