銭湯や地域のイベント出店など、地域活性化で需要が伸びるキッチンカー。南大沢の団地敷地内では、キッチンカーによる飲食販売の試験的な取り組みが始まり、美山町の福祉施設では市内高校生による定期的な出店が行われ、キッチンカーを拠点とする動きが出始めている。
ベルコリーヌ南大沢
独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)は、ベルコリーヌ南大沢5―16街区の集会所前でキッチンカーによる飲食販売を11月8日から試行的に始めている。
UR都市機構団地マネージャー佐々木克憲さんは「団地の魅力向上と地域の活性化が目的。団地の生活や地域のつながりが屋外空間にどのように広がっていくのかも検証していきたい」と狙いを話す。
同所には毎日、昼や夜の時間帯にキッチンカー1台が出店する。試行期間は来年2月7日まで。販売状況などに応じ、その後の展開を検討する。
出店者は沖縄そばやハンバーガー、ローストビーフなど毎日異なる。今回キッチンカーを手配した(株)Mellowの担当者は「オフィス街と違い、食卓に上がることを考えて『家庭で作ると手間がかかるもの』を意識して選定した」と話す。
キッチンカーを利用した女性は「犬の散歩の途中にたまたま見かけたので買ってみた。この辺りでは珍しい。美味しかったら続けてみようかな」と話す。
佐々木さんは「駅から少し離れているこの場所でキッチンカーが街の拠点になる可能性も検討したい」という。
八王子平和の家
美山町にある知的障害者生活支援施設「八王子平和の家」(社会福祉法人みずき福祉会)には毎週金曜日、星槎国際高校八王子学習センター(元八王子町)の生徒が運営するキッチンカーがやってくる。
もともと施設内に地域交流スペースを設けている同施設は、コロナ禍でもできる地域交流の方法を検討していた。同校を紹介してもらい、9月から実施している。
10種類のスパイスから作るカレーやクラフトコーラなど、食材にこだわり、生徒たちが仕込みから販売を行っている。
多い日で40、50食出ることもあるという。
同施設の数森裕一さんは「施設利用者がキッチンカーが来るのを楽しみにしている。高齢の方が多い地域だが、食を楽しみの一つとして施設に立ち寄りやすくなったのでは」と手応えを話す。同校の教諭山下裕之さんは「生徒にとっても地域の人や利用者の方と交流するいい経験になっている」と話した。
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