5月に引っ越してきたこの家は、2LDKだがエアコンがリビングの1台しかない。幸い、2つの部屋(仕事部屋+寝室)はどちらも引き戸でリビングと繋げられるので、夏の間はエアコンとサーキュレーターを併用してしのいでいた。
しかし寒くなってくるとそう上手くはいかない。エアコンの暖房パワーが弱く、部屋を繋げると全体的になかなか暖まらないのだ。日中はほとんど仕事部屋にいるのに、誰もいないリビングを暖め続けるのももったいない。灯油やガスを使う暖房器具は賃貸契約上、禁止されている。
そこで6畳程度の部屋全体を暖められて、仕事部屋と寝室で兼用できるように持ち運べる大きさという条件で選んだのがシャープのプラズマクラスター加湿セラミックファンヒーター「HX-PK12」。店頭予想価格は30,000円前後。お借りして1カ月間使ってみた様子をお届けする。
電源オンですぐ暖かい! 加湿器としても有能
本機は暖房だけでなく、1台で加湿機能とプラズマクラスターイオンによる空気浄化機能も備えている。それぞれ単独での使用も可能で、適用床面積は暖房が最大約8畳まで、加湿が最大18畳、プラズマクラスターが約6畳だ。加湿能力はリビングなどの広さにも対応するが、暖房として本機単体で使うなら8畳までの部屋と考えておくのがいいだろう。
運転モードは、暖房が「自動/強/弱」、加湿が「自動/連続」。「自動」モードでは、暖房は室温を約22℃にキープ、加湿は室温に適した湿度にコントロールするという。なお運転中はプラズマクラスターが自動でオンになる。
使ってみてまず驚いたのはその速暖性。電源ボタンを押すとすぐに温風が吹き出る。上から風が吹き出すエアコンは、電源を入れてから足元まで暖かさが広がるには時間がかかるが、こちらのヒーターは足元に近付ければ運転直後でも十分に暖かさを感じられる。
温湿度計を使って、性能を確認してみた。11月末の午前11時頃、6畳の仕事部屋で稼働。開始時の室温は18.5℃で、暖房「強」でスタートする。室温をこまめにチェックしてみると大体10分に1℃ほど上昇し、1時間後には24℃まで上がっていた。加湿はオフにしていたため、湿度は37%から31%まで下がった。
別の日に暖房「強」/加湿「連続」でもチェック。室温以上にぐんぐん湿度が上がり、1時間で36%から74%まで上昇した。空気がしっとりしているように感じるくらい、しっかり加湿しているのを実感できる。
1台あれば家中で使えて便利
実際に仕事部屋で使うときは、まず暖房「強」/加湿「自動」で部屋をガンガン暖め、十分に暖かくなったら暖房を「弱」または「自動」に切り替える。自動だと室温が上がると一時的に運転を停止するが、それだと冷え性の筆者はまだ寒いと感じるときがあったので、その場合は弱の連続運転にし、足先まで暖まったらオフにしていた。ちなみに同じ部屋で仕事をしている家族は、よく「暑い!」と言って電源を切っているので、暖かさは申し分ないはず。
また部屋全体をしっかり暖めているので、オフにしても暖かさが保たれるのも特徴だ。休憩時に暖房を消したあと仕事を再開するときは、しばらくのあいだ暖房をつけなくてもほんのり暖かかった。
本体は約5.5kgと動かしやすく、冷えるときは足元に近付けてスポット暖房として使うことも可能。石英管などを搭載した電気ストーブとは異なり、当たっている人しか暖まらなかったり、近くで当たると熱くなったりすることがないのはファンヒーターの利点だと感じる。
仕事部屋で使うのがメインだが、コンパクトで取っ手も付いているので寝室に移動して使うことも多い。寝室にもエアコンがないので、寝る前に部屋を暖めておくためだ。
ここで個人的にうれしいポイントが。本機は切タイマーと入タイマーを併用できるのだ。というのも筆者は朝が苦手で、特に寒い時期はいつまで経っても布団から出られないのだが、起床前から部屋を暖めておくとこれが少し改善され起きやすくなる。
これまで使ってきたエアコンは切/入のどちらかしか設定できないことが多く、寝る前の方を犠牲にしていた。それが本機であれば就寝時も起床時も暖かくしておける。これで今年の冬はなんとかやっていけそうだ。
このほかにも脱衣所を暖めたり、リビングでエアコンの補助として足元に向けたりといった使い方も。持ち運ぶ際は、タンクに水が入っているとこぼれるおそれがあるので気を付けたい。
水が濁らない清潔機構は手入れが少しネック
本機の加湿ユニットは特徴的で、加湿トレーとフィルターが分離しており、トレーの水をポンプで汲み上げフィルターを湿らせる。余分な水は再度トレーへ落ち、フィルターが水に浸かったままにならないため汚れにくいのだという。さらに運転停止後にはフィルターの自動洗浄も行なう。
この機構のおかげか、たしかにトレーやフィルターはきれいに保たれていた。我が家の他社製加湿器の場合、1~2週間使用するとトレーの水が汚れて黄色くなるのだが、本機は透明なままだった。
しかしこの機構がゆえに手入れする部品が多くなるのも事実。加湿ユニットの手入れは約2週間に1回を推奨されており、その際は、タンクホルダー/フィルター/トレー/トレーカバー/給水ポンプの5つを掃除しなければいけない。加湿された空気を吸い込むことを考えれば手入れはおろそかにできないからこそ、もう少し掃除しやすい形になるとうれしい。なお、加湿機能を使わない場合は約1週間に1回、本体背面の吸込口にあるフィルターのホコリを掃除機で吸い取るだけでいい。
また気になる電気代は、公式サイトによると1時間あたり約32円/約17円(暖房強/暖房弱)。1日8時間、強/弱モードで4時間ずつ使ったとして、ひと月でおよそ6,000円程度だ。我が家で言うと引っ越す前の昨冬、1日中エアコンをつけていた頃の電気代が家全体で15,000円程度だったので、大きくは変わらなそうだ。
パワフル暖房&加湿に満足。エアコンがない部屋にはこの1台
在宅勤務をしながら迎える冬は今年で2回目。仕事中はほとんど動かないので体は冷えるばかりだったが、足元もダイレクトに暖められる本機を使いはじめてからは、ぽっかぽかの冷え知らずで過ごすことができた。試用していたのはまだ本格的に寒くなる前だったが、このパワフルさなら真冬になっても問題なさそうだ。
逆にかなり暖かいので、エアコン設置済みの書斎で足元のサブ暖房として使う、といった場合はオーバースペックだと思う。そのようなシチュエーションであれば、電気ストーブかもっと小型のファンヒーター、パネルヒーターや電気毛布などがいいだろう。
今回のように部屋を移動して使えるコンパクトサイズかつ、エアコンがない部屋でもしっかり暖められるという条件にHX-PK12はぴったりだった。加湿も想像以上にパワフルで、肌やのどの乾燥が気になる人もきっと満足できる。普段使っていなかった部屋で仕事をするようになったなど、在宅勤務やオンライン授業の環境がちゃんと整っていない人におすすめしたい。
からの記事と詳細 ( 1台で強力暖房&加湿! エアコンなしのテレワーク部屋がシャープのヒーターで快適に - 家電 Watch )
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