大相撲の関脇御嶽海の大関昇進が26日、正式に決まる。同日の春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)番付編成会議と臨時理事会を経て、昇進伝達式が行われる。
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大関の座を確実にした千秋楽の夜、御嶽海は師匠の出羽海親方(元幕内小城ノ花)から「ここからだな」と声を掛けられたという。本人にとっても部屋にとっても、この昇進は大きな発奮材料に違いない。
御嶽海の所属する「出羽海部屋」の頭には「名門」の冠が付く。横綱を歴代最多の9人、日本相撲協会理事長を4人も輩出。部屋別の優勝回数は初場所の御嶽海で52回となり、トップの九重部屋に並んだ。
しかし、角界随一の伝統を誇る部屋も一時は勢いを失っていた。平成22年には、100年以上も絶えなかった関取がゼロに。その5年後、入門してきたのが御嶽海だった。アマチュアで個人タイトル15冠の逸材は、出羽海親方に「部屋の再興に力を貸してほしい」と誘われ、就職が内定していた和歌山県庁から進路を変えて現在に至る。
出羽海部屋からの大関誕生は昭和50年九州場所後の三重ノ海以来、47年ぶりだ。横綱まで上り詰めた三重ノ海の石山五郎さん(73)は「昔はせき一つするのもためらわれるようなピリピリした稽古場だった。歴史ある部屋から大関が出ずに寂しかったので、(昇進は)うれしい」と語り、29歳の御嶽海に「自分が横綱に昇進したのは31歳5カ月。まだまだこれから力が出るはずだ」とエールを送る。
御嶽海の相撲は角界関係者の中でも評価が高い。相手との距離感が良く、おっつけやはず押しの技術がある。出羽海親方も「相撲勘が良いですね。相手が上手投げや引き技に来たときの体の寄せ方、あの足の運びはなかなかできない」と評する。
一方で課題とされてきたのは調子の起伏だ。御嶽海は自身の性格を「明るい」としたうえで、「諦めも早いし、落ち込みやすいところもある」と冷静に分析する。
「関脇まではいけると確信していたので、その先を見てみたいと思ってやってきた。もう一つ上(横綱)がある。そこは狙わないといけないと思う」
三役で2桁勝利を2場所続けたのは今回が初めて。今後も初場所のような好内容の相撲を継続していけるか。(宝田将志)
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