睡眠中の脳内で目が覚めている時には難しい高度な情報処理が行われていることを、富山大学の研究グループがマウスを使った実験で初めて明らかにしたと発表しました。
このメカニズムはヒトの脳にも共通するとみられ、脳の潜在的な能力を引き出すことにつながると期待されています。
睡眠中の脳の働きについては、ひと晩寝ることで良いアイデアを思いつくことなどが経験的に知られていますが、富山大学アイドリング脳科学研究センターの井ノ口馨卓越教授の研究グループは、マウスを使った実験でこの仕組みの解明に挑みました。
実験では、三角形や六角形など壁に角がある部屋と角がない円形の部屋を用意し、それぞれにマウスを入れて一定の時間過ごさせたあと、すべてのマウスを四角形の部屋に移動させて電気ショックを与えました。
このあとマウスを眠らせ目が覚めたあとに元の部屋に戻したところ、角がある部屋のマウスは電気ショックを恐れて身をすくませるようなしぐさを見せたということです。
さらに、角がある部屋のマウスでも、睡眠中に学習を司る神経細胞の動きを阻害した場合にはこうしたしぐさを見せにくくなったということです。
このことから、最初にいた部屋と電気ショックを受けた部屋の記憶を睡眠中に結びつけ、脳が角がある部屋は危険だという学習を行った可能性が高いことがわかったということです。
こうした脳の働きは、同時に行った神経細胞の活動の観察からも確認できたということで、今後、ヒトの脳の潜在的な能力を引き出すことにつながると期待されています。
井之口卓越教授は「睡眠時の神経細胞の活動と学習との間に明確な因果関係を見ることができた世界に例のない研究だと思う。睡眠の方法を改良することで発想力や課題解決能力の向上につなげられるのではないか」と話しています。
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