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Sunday, July 23, 2023

「無印良品の家」で建てた1LDKの一軒家。暮らして気づいた、特別な掃除を減らす工夫とは? - roomie

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tsubottlee(つぼとる)

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Photographed by tsubottlee

豊かな自然に囲まれ、ファミリー層も多い大阪府羽曳野市(はびきのし)。電車やバスなら、市内へのアクセスも良い街です。

今回お邪魔した、のれそれさんのお住まいは、そんな街のとある駅から車で走ること10分ほどの閑静な住宅街にあります。

お名前(職業):のれそれさん(会社員)
場所:大阪府羽曳野市
面積:125㎡、1LDK
建築費:3,100万円
築年数:築2年半、戸建て

間取り図(編集部作成):

1階

2階

おばあさんが住んでいた家を引き継ぎ、建て替えを検討しはじめた頃に出会ったのが「無印良品の家」。

家づくりのコンセプトに惹かれて建てた家と、その魅力を引き立てるのれそれさんの物選びや習慣についてお話を聞きました。



家づくりの決め手

「この家“で”いい」。ニュートラルな空間に惹かれたこと

もとの家が古くなり、雨漏りで部屋の中の本が濡れてしまうのが気になっていたというのれそれさん。

周りの人に話していると、選択肢として出てきたのが、家を建て替えて、思い入れのある土地を住み継ぐこと

「いくつかハウスメーカーの話を聞いてみようと思い、最初に足を運んだのが無印良品でした。

建て替えのためのお金の相談会に参加していたなかで、お話してくれた人の『この家がいいではなく、この家“で”いい』という言葉が、自分の住まいに対する考え方だと腑に落ちて決めました。

正直、アウトドアが好きなこともあり、最初は違う系統の会社も選択肢には入れていたんです。でも、個性的な住まいづくりをするとなると、自分自身もしんどくなりそうだと思ったんです。

無印良品の商品がそうであるように、長く過ごしていく家もまた、ニュートラルな方がしっくりくるな、と感じましたね」

実際に住まいづくりが進むなかでも、最初に提案があった「壁で仕切られた間取り」より、「生活に合わせて柔軟に変えていけるオープンな空間」を希望したというのれそれさん。

玄関から続く壁は白、床は無垢材、そしてリビング・ダイニングには吹き抜け、と住まい全体が開放感を感じられるようになっていました。

お気に入りの場所

思い出の大きなテーブルがある場所

過去にブックカフェを経営していたのれそれさん。住まいには、お店を経営していた頃の本やインテリアも使われています。

なかでも思い出深いものとして話してくれたのが、2階に設置している大きな長方形のテーブル

ブックカフェの中心に置いて、お客さんの集まる場所になっていた思い出のあるテーブルです。

開店時に作ってもらったもので、海外のデザインを参考にさまざまな木材が組み合わされた天板が特徴的で気に入っています」

2階からの景色も良く、デスクワークの息抜きにこの空間を使うことも多いそう。思い入れのあるインテリアを長く大切に使い続けている姿が印象的でした。

使い方を変えてハマった音楽鑑賞空間

自由度の高いおうちだからこそ、暮らしていくなかで使い方が変わった空間もありました。

以前はキッチンと隣り合うスペースで使っていたダイニングテーブル。これをキッチンの前に移動することで、隣り合うスペースが別の用途にも使える空間になりました。

「ダイニングにはダイニングテーブルを、というように、固定観念に2年くらいは縛られていました。でも、それを取っ払って、暮らしに合わせたレイアウトを考えるようにすると、すごく自由になりました

テーブルを移動させてからはゆっくりと本や音楽が楽しめる空間に。

壁面に設けられた収納棚には、ご家族から譲り受けたものやご自身で集めたレコードがびっしり収納されていました。

「この家で暮らしていると、どうしてもしっくりこなかったのがダイニングスペース。

ソファとキッチンの間の空間にダイニングテーブルを移動させて、元の場所はゆっくり腰かけて音楽を楽しめる場所に変えました。部屋での過ごし方も増えたのでよかったですね」

何気ない景色に心奪われる寝室

2階の奥に位置し、1階とは吹き抜けで繋がりながらも腰壁で視線が届かない場所に設けられていたのが寝室。

南向きの窓から差し込む光で心地よい朝が迎えられることはもちろん、夜の景色も好きだと話します。

「ここで寝るようになって、ある日ふと目に入ったのが、遠くに見える信号の点滅でした。

夜の静かな室内から眺める灯りの変化がとてもよくて、時間を忘れて見入ってしまうことがあります。

1階との導線を考えると、階段近くのスペースにベッドを置いた方がいいのでそうしていたこともあるのですが、この景色を見てから、寝室は今の場所になりました」

これもひとつの借景として、心落ち着く変化のある景色が見えるのもエモくていいですね。

お気に入りのアイテム

ほのかな光が好みのランプシェード

部屋のなかでも、時間帯によって異なる雰囲気が楽しめると話していたのがキッチン。キーとなるアイテムは、福岡で購入したkrank marcelloの小さなランプシェードです。

「仕事で福岡を訪れた際に、お店へ足を運び、その場で心惹かれたのがこの照明でした。

10Wほどのほのかな光なのですが、夜にこの照明だけ点けると、日中の明るくハッキリとしたキッチンとは対照的に落ち着いた空間を楽しむことができます

絵になるコーヒージャー

キッチンにはもう1つお気に入りアイテムが。

「収納棚に置いているピーターアイビーのコーヒージャーはお店で実際に目にして、思わず手に取りました。

ガラスの美しさが素晴らしくて、コーヒー豆をたくさん保存するというよりは、2〜3日で使う分だけ入れるようにしています。見るたび、使うたびに気分が上がるアイテムの1つです」

修理の手でかけがえのないものになったチェア

音楽鑑賞のスペースで、一際存在感を見せていたのがハンス・J・ウェグナーのイージーチェアGE290。名作チェアの1つですが、のれそれさんの住まいで使われているものにはより愛着がわくポイントがありました。

「ヤフオクで購入したのですが、脚にヒビが入ってしまっていたことに後から気づいたんです。

好きな椅子だったこともあり、奈良のsimple wood productさんにお願いして、脚部分に千切(ちぎり)を埋め込んで修理してもらいました」

気になったところをそのままにしていると、目に入るたびに気分が下がってしまうもの。壊れたり、破れたりしているものをほったらかしにせず、すぐに修理へ出すことをのれそれさんは大切にしています。

ていねいな仕事によって椅子そのものの魅力が磨かれているような気がしますね。

色を意識したアート作品

玄関に飾られていたのは、鮮やかな色合いが特徴的な植物のアート。白壁をバックに目を引く作品です。

「自分の好みもあり、家に飾っているアートは白っぽくてシンプルなものが多いんです。そこで、あえてハッキリとした色合いのものを加えてみようと、大阪在住のアーティストであるミヤザキさんの個展で購入しました。

一番に狙っていた作品は購入できなかったのですが、住まいに飾ってみるとこれはこれでしっくりきて気に入っています」

気になるところ

オープンすぎる間取り

自由度が高く、開放感のある空間を目指してつくられたのれそれさんの住まい。暮らしに合わせて用途を変えられる良さは感じつつも、壁のある空間の必要性も感じているそう。

「オープンな空間が故に落ち着かないこともあります。茶室みたいな小さな部屋でいいので、閉じた空間を作ればよかったと思っています。

空間は大きければ大きいほどいいと思っていましたが、狭い空間もあったほうがいいんだな、というのは、実際に暮らしてみるまで気づかなかったことですね」

将来的には1階を中心とした平家のような暮らしを目指し、そのなかで壁を増設して寝室にすることも考えているそう。

ライフスタイルの変化に合わせて部屋の使い方も変わるからこそ、暮らしをイメージした住まいづくりが大切なんですね。

暮らしのアイデア

​​日々の習慣づけで、特別なことが必要のない住まいに

毎日の暮らしのなかで、どうしても住まいには生活の跡が残っていくもの。

どうしても気になる汚れが出てきたり、それが掃除をしても落ちなかったりすると悩みの種に……。

のれそれさんのお宅は、住み始めて数年経つにも関わらず、水回りまでとてもきれい。その秘訣は日々の習慣にありました。

「この家で生活を始めた頃は、お風呂場の水垢やトイレの汚れに気づいてはテンションが下がっていました

そんなある日、ふと気づいたことがあって。簡単な掃除でも、ちょっとした汚れであればきれいに落とせるな、と。それ以降は毎日の簡単な掃除を習慣づけることにしています

身体を拭いたタオルで、お風呂場の鏡も拭き上げるようにしたり、トイレの便座裏は毎朝磨くようにしたり、とひとつひとつはわずかな時間で済むものばかり。

繰り返すことで特別な洗剤を使うような掃除は必要なくなりました

小さな取り組みでも、積み重ねれば当たり前の習慣になり、住まいもまたきれいな状態が当たり前になる。

「ふと気になる部分を見つけてマイナスな感情になる生活よりは、部屋も心も常に心地よい状態で暮らせることが理想ですよね」

のれそれさんの気づきに、「たしかに」と共感。自分も心地よい空間を維持する習慣づけに取り組んでみようと思います。

これからの暮らし

理想の状態から、住まいの使い方を考えていきたい

毎日の暮らしを豊かにする心のあり方から、住みよい暮らしについて考えているのれそれさんですが、今後についての考え方も変わってきたのだそう。

「日々の幸せを考えるにあたって、どういうときに心地いいなと思うかを振り返ったとき、これまでは割と“行動”についてだったんです。朝に本を読むとか、ここでコーヒーを飲みながら音楽を聴くとか。

ただ、よくよく考えたら“行動”というよりは“状態”が大事で、自分に余裕がなかったら同じ行動でも心地よいと感じきれないなと気づきました」

心の余裕は住まいを新しくしたり、新しいものを購入したりして埋めるものではなく、日々の暮らしのなかで、負荷を少なく余裕を持たせていくこと。

そのために、まだまだ整理しきれていない本や、スペースの使い方は見直していきたいと話します。

「思い返すと家を建て直す前の祖母の家にはたくさんの物が溢れていて、整理をするたびにしんどい気持ちになっていました。

1日のなかで職場以外で多くの時間を過ごすのは自分の家。その家くらいはきれいで余裕のある空間を維持していきたいと考えています。

そして、ゆくゆくは、庭に小屋を建てて、小さな商いができたらな、と。庭も整ってきたので、空間の有効活用と、誰かと一緒に時間を楽しめる空間が作れたらいいですね」

家を建て替えるにあたって、自分に無理なく丁度いい、心地よい住まいづくりを考えていたのれそれさん。

実際に暮らし始めてからの気づきもまた、ご自身の心地よい状態を大切にすることに繋がっていっているのだと感じました。

家づくりを考え始めた頃に共感した「この家でいい」という、肩の力を抜いたニュートラルな家の在り方。その思いは暮らしを重ねるとともにより強く、深まっていきそうです。

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