大相撲の高砂部屋の平塚合宿が22日、神奈川・平塚市総合公園で始まった。

1994(平6)年からスタートした恒例行事は新型コロナウイルスの影響で途絶えていたが、4年ぶりに開催にこぎつけた。大関経験者で平幕の朝乃山、来場所新十両の石崎改め朝紅龍、同市出身の朝弁慶をはじめとする同部屋の全力士が参加し、迫力ある稽古を見学しようと土俵周りには100人以上のファンが駆けつけた。朝乃山は「お客さんと交流できてとても楽しい」と喜んだ。

朝乃山はこの日、土俵周りで基礎運動をしたり、ぶつかり稽古で胸を出したりして調整した。稽古後に行われた地元児童たちとの「ちびっこ相撲」では血気盛んな子どもたちと和気あいあいしと相撲を取って交流を楽しんだ。「元気の良い子どもたちと相撲を取ると、こっちも元気をもらう」と笑みがこぼれ、「わんぱくから大相撲に入ってくれる人が増えたら」と願っていた。

7月の名古屋場所で左上腕を痛めた影響で場所後の夏巡業は一時休場し、今月19日の新潟・長岡市の巡業から復帰。現在のけがの状況については「最初の頃に比べると痛みはほぼない」という。巡業を休んでいた時にも鍛錬を怠らず、「みんな稽古をしていたので置いていかれるんじゃないか」と稽古場で基礎運動など下半身を鍛えた。その甲斐あってコンディションは決して悪くない。これから実戦感覚を取り戻そうと躍起だ。「しっかり稽古をして(秋場所の)初日向けてギアを上げたい」と話した。

今週末に再開される夏巡業では25日富山・黒部市、26日石川・金沢市、27日富山・氷見市と北陸を回る。久々の地元富山での巡業についての思いも口にし、「不祥事を起こしてから再出発してきた中で、(地元の方々に)支えてもらってきた。その感謝を込めたい」と誓う。今後の巡業で相撲を取る稽古を行うかどうかはまだ決めておらず、当日のコンディションをみながら判断する。「少しでも来た人たちが来て良かったと思えるようにしたい」。

8勝4敗3休に終わった先場所について決して満足はしていない。秋場所で「2桁以上、優勝を目指して頑張りたい」と力強く目標を語った。【平山連】