新型コロナウイルスの影響で飲食物のテークアウト需要が増す中、店員と客がまったく顔を合わせない「完全非接触型」のキッチンカーが九州に登場する。長崎県佐世保市の事業者が希望者に車を貸し出し、開店場所は福岡市の小売り大手などが紹介する。感染拡大の「急所」とも指摘される飲食業界。回避のためのさまざまな努力が進む業界に新風を吹き込む。
店舗に比べて初期投資が安いキッチンカー(飲食物提供)は増加傾向にある。各県の台数は、福岡1096台▽熊本324台▽佐賀278台-。パンデミック(世界的大流行)が宣言された昨年3月に比べ、38~80台の増加が見られる。
事業に乗り出すのは、佐世保市内でバーガー店やスポーツバーを経営する「EVERGREEN(エバーグリーン)」。車体に張ったメニュー表からスマートフォンで読み込み、引き出しから商品を取り出す。会計もスマホ。操作に慣れない高齢者に配慮し、スクリーン画面を通して車内の店員と会話もできる。
きっかけは、同社の固定店舗の売り上げがコロナ禍前の2、3割に下がったこと。消費者目線で新たな営業スタイルを模索した。イオン九州は、同社運営のショッピングセンターの玄関付近や駐車場など集客確保を見込めるポイントを紹介する。
コロナによって生活スタイルは変容している。イオン九州関係者によると、ショッピングセンターのフードコートよりも接触の少ないドライブスルーを好む傾向は強まっているといい、今回のキッチンカーは「新たな魅力」と期待する。扱う商品や車を止める場所など店舗よりも自由度が高く、エバーグリーンも「時代の変化に即応しやすい」と説明する。
同社はまず5台を製造。九州へのU・Iターンなど働く場を求める人を対象に2月にも希望者を募って審査し、4月以降に出店する。キッチンカーの貸与は月10万円以下を想定。方向指示器を意味する「Blinker(ブリンカー)」の名称でフランチャイズ化も検討しており、食材の共同購入や、各地に共用のセントラルキッチンの設置も計画中という。担当者は「シャッター商店街などにも広げ、地域観光にも寄与したい」と希望している。 (吉田真紀)
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