いま、「離島」がますます遠い存在になっている。飛行機や船を乗り継がないとたどり着けない距離に加え、新型コロナウイルス禍で旅行は制限された。人口が少なく、医療提供体制も脆弱(ぜいじゃく)になりがちで、「来島自粛」を表明しているところもある。そんななかにあって、東京都内には2店舗を構える「離島キッチン」は、全国の離島から集めた食材で料理を提供。「島時間」が味わえるスポットとして人気だ。(飯嶋彩希)
離島キッチン日本橋店は、内装を木材でそろえ、温かみのある落ち着いた雰囲気が漂う。店内のテーブルは、令和元年の台風で損壊した神津島(東京都神津島村)の木材を再利用したもの。料理だけでなく、島の産品も販売されていて、広く明るい店内は見どころたっぷりだ。
食事はランチタイムから夜まで定食を提供。メインの料理を選び、小鉢や汁物などは共通でセットになっている。1番人気は、島根県海士町(隠岐諸島)の名物「寒シマメ」の漬け丼。島でおいしい旬に取れたスルメイカのことで、やわらかく、するするとのどを通る。付け合わせの小鉢はそれぞれ違う場所のもので、島に思いをはせながら食べるのは楽しい。ドリンクメニューには島の地ビールやコーヒーがあり、デザートも注文できる。
海士町の観光協会が平成21年、最新の冷凍技術を導入し、島産の魚介類の商品価値を高めようとキッチンカーを走らせるプロジェクトを計画した。次第に「同じ思いを持つ全国の島に声をかけ、『離島』と称した方がいいのでは」と広がりをみせ、キッチンカーでの離島キッチンがスタート。その後、飲食店型のアンテナショップとして都内に神楽坂店を初出店した。
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