ファーストキッチンと日本コンピュータビジョンは、12月1日よりファーストキッチンの一部店舗において、顔認証決済の実証実験を開始する。
実証実験を行なう店舗は、ウェンディーズ・ファーストキッチン 赤坂見附店。12月1日から12月14日までは関係者のみを対象とし、12月15日からは一般客も利用可能となる。また、ウェンディーズ・ファーストキッチン 渋谷センター街店とファーストキッチン 自由が丘店でも実施予定。実証実験を行なう期間は12月1日から2022年2月28日までで、5,000名ほどの利用を想定している。
実証実験が行なわれる店舗に設置されているセルフオーダー端末に、顔認証用のタブレットデバイスを設置。そして、セルフオーダー端末での注文時に顔情報を登録している利用客を認識するとともに、商品注文後には顔情報に紐付けられたクレジットカード、またはファーストキッチンのオリジナルプリペイドカード「マイファーストカード」で顔認証決済が利用できるようになっている。これにより、スマートフォンや財布、クレジットカードなどを取り出すことなく、手ぶらで注文から決済まで行なえることになる。
セルフオーダー端末は、実証実験に合わせて新たに開発したものではなく、これまで使われているものをそのまま活用し、顔認証機能を追加したものとなる。顔情報や決済用のクレジットカード、マイファーストカードの情報は、事前にスマートフォンで専用Webサイトにアクセスし登録しておく必要がある。
ファーストキッチン 代表取締役会長のアーネスト・エム・比嘉氏によると、今回の取り組みは、飲食チェーン店において、個人経営の飲食店同様のおもてなしをDXを活用して実現できないか、と考えてのものだという。例えば、顔認証決済によって“顔パス”に近い体験を提供するとともに、将来は「利用客の利便性を高めるのはもちろん、顧客分析にも活用し、顧客満足度と売上の双方を高めたい」と説明した。
ファーストキッチン 代表取締役社長の紫関修氏は、今回の取り組みによって「“早く商品を提供する”というファストフードの使命を実現するために、これまで諦めていた“1 on 1のサービス”を提供できるようになる」と述べた。
今回の実証実験では、顔認証での顧客の識別と、顔認証を含めたUIの検証、顔認証決済の検証が主な内容となっており、顧客データの収集や活用は行なわない。ただ、将来は顔認証を活用して様々なサービスの提供につなげたいと考えているという。例えば、現在でも注文時に口頭で伝えることでメニューのカスタマイズやアレルギーへの対応も可能となっているが、顔認証の仕組みを活用して、いちいち口頭で伝えることなく好みやアレルギー情報をベースとしたメニュー提案を行なったり、利用客それぞれの利用状況に応じた特別なクーポンの提供も可能になるという。そして、今回の実証実験が「新しいサービスを提供するための第一歩」(柴関氏)になると期待感を示した。
また、顔認証決済には、日本コンピュータビジョンの顔認証技術を利用している。日本コンピュータビジョン代表取締役社長のアンドリュー・シュワベッカー氏によると、同社の顔認証技術は業界最高レベルの精度を誇り、2,000万人のユーザーに対応できるという。そして、今回の実証実験は、その顔認証技術を活用するとともに、米国で顔認証決済システムを提供しているPopID、ファーストキッチン向けにセルフオーダー端末やモバイルオーダーサービスなどを提供しているプラネットと連携し、「PopPay」という顔認証決済システムをセルフオーダー端末に組み込んで実現している。
シュワベッカー氏は、「アメリカの空港や飲食店などでは、顔認証を使った搭乗手続きや決済を望む利用客が多く、日本でもオフィスのエントランスに導入され好評を得ている」と顔認証システムの利用状況を紹介。そして、今回の実証実験を踏まえて「多くの飲食店が顔認証システムを活用できるようなソリューションを構築し、顧客体験の向上や店舗運営の効率化を提供したい」と将来の展望を述べた。
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