平日は,毎朝7時頃に隣の家から聞こえてくる元気な子供の声で目が覚めてしまう筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第730回は,Glee-Cheese Studioが開発した「A Musical Story」を紹介する。本作は,1970年代のロックシーンを題材にしたリズムゲーム&アドベンチャーだ。まあ,いつも明け方まで起きているから,また二度寝しちゃうんだけど……。
本作のストーリーは,病院のベッドで昏睡状態にある主人公ガブリエルの記憶を,彼の音楽を通して振り返っていくというもの。ジミ・ヘンドリックスのようなアフロヘアのギタリストであるガブリエルは,太っちょのドラマーとノッポのキーボーディストの3人でバンドを組んでおり,ウッドストック・フェスティバルを思わせる音楽フェスに出演するため,パインウッドという架空の町に向かうことになる。
ガブリエルの思い出は,すべて音楽と結び付いたビジュアルシーンで構成され,ゲーム内ではテキストはいっさい使われていない。生活のために昼間は缶詰工場で働くガブリエルが音楽で一旗揚げるため,オンボロのバンに楽器を積み込んでバンド仲間と旅立つ様は,彼らが演奏するプログレ風味のローファイなサイケデリックロックと相まって,古き良きアメリカを連想させる。
ビジュアルシーンからシームレスで発生するリズムゲームでは,円形に並べられたノーツに指定されたボタンを,ビートに合わせて反時計回りに押していく。使用するボタンはキーボードの左右の方向キーのみと少なく,同時押しや長押しが必要な場面もあるが,操作そのものは非常に簡単だ。ただし,キーを押すタイミングは視覚的に表示されず,自分の耳でしっかりと音を聴く必要があるので,多少のリズム感が要求されるかもしれない。
とは言え,リズムゲームが苦手な人のために,救済措置もしっかりと用意されているので心配ご無用。何度も失敗していると小さな光の点が表示され,キーを押すタイミングを視覚的にサポートしてくれるのだ。この機能には筆者も何度も助けられたので,同じようにリズム感にいまいち自信がないという人でも,最後までストレスなく楽しめるだろう。すべてのノーツを正確に演奏できれば,次のシーンへと進むことができる。
また,本作の重要な要素となっている音楽はどれも非常に素晴らしく,聴いていると自然とビートに合わせて体を動かしたくなってくる。古いポスターのようなタッチで描かれた独特なビジュアルとの相性も抜群で,言葉はなくともグイグイと本作の世界観とストーリーに引き込まれてしまうはずだ。
文章でその魅力を伝えるのが難しいゲームだが,SteamではPC版が1520円で発売されているほか,国内ではXbox One版とAndroid版も配信中。大きな夢と希望を抱いて旅に出たはずのガブリエル達に一体何があったのか……気になる人は,ぜひプレイしてみてほしい。オススメです。
■「A Musical Story」公式サイト
https://digerati.games/game/a-musical-story/からの記事と詳細 ( インディーズゲームの小部屋:Room#730「A Musical Story」 - 4Gamer.net )
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